フェラーリでテストドライバーを務めるマルク・ジェネが、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が2015年にほかのチームへ移籍することを考えているといううわさは当たっていないと語った。
現時点においては最高のドライバーであると見なされているアロンソだが、来季から再びホンダと手を組んで大きな飛躍を目指すマクラーレンが、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)やルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)らとともに、アロンソの獲得も視野に入れているといううわさが大きくなってきている。
少し前に、来季もジェンソン・バトン(マクラーレン)との契約を更新する可能性が高いと語っていたマクラーレンのエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)だが、そうした背景もあってか、最近のコメントは歯切れが悪くなっているのも事実だ。
今週、来季のドライバーに関する質問を受けたブーリエは、メディアに対して次のように答えた。
「それは、私にはイエスともノーとも言えない質問だね。我々は今後に向けてあらゆる戦略について分析と評価を行っているところなんだ」
■新生マクラーレン・ホンダはアロンソにとって格好の場か
アロンソは、かつて2007年にマクラーレンに加入したが、その年にマクラーレンからF1デビューを飾ったチームメートのハミルトンとの確執や、当時のチーム代表であったロン・デニスとの対立などにより、わずか1年でチームを離れていた。だが、マクラーレンのチーム関係者は、それからほぼ8年が経過した今、デニスとアロンソが再び手を組むことへの障害は何もないと断言しているという。
2010年からフェラーリのドライバーとなったものの、それ以来、ずっとF1タイトルから見放されていたアロンソだが、赤いレーシングスーツで迎えた5年目のシーズンとなる今季もすでに序盤でタイトル獲得の夢は消えたと言っていい状況だ。そして、アロンソもしばしばフェラーリに対する不満を表していた。
2015年によみがえることになったマクラーレン・ホンダは、アロンソにとって再び新鮮な気持ちで3度目のF1タイトル獲得に挑戦するにはふさわしい場所となるかもしれない。
■3度目のタイトル獲得に執念を燃やすアロンソ
アロンソは、今月初めに『BBC』に次のように語っていた。
「それ(3度目のタイトル獲得)を目指しているし、そうできることを願っている。2度のタイトル獲得では満足できないという意味ではないけれど、3度タイトルを獲得できれば、これまでのF1において活躍した名ドライバーたちの仲間入りができるしね」
「僕はずっと勝ち続けていくことができると思っているし、これからまだ何年も競争力のあるドライバーでいられると思う。それが3年なのか5年なのか、あるいは7年なのかは分からない。でも、まったく問題はないと思っているよ」
■それでもアロンソはフェラーリで満足しているとジェネ
だが、アロンソと同じスペイン出身で、現在はフェラーリの一員としてテストドライバーを務めるジェネは、アロンソはフェラーリにいることに全面的に満足していると考えている。
「その通りさ」、と今週スペインのメディアに語ったジェネは次のように続けた。
「2010年以降、僕らは最高のフェルナンドを見てきたと思う。2010年も、2012年もそうだった。そして今年でさえ彼のドライビングは完ぺきだよ」
「彼は間違いなく現在のF1においては最高のドライバーであり、もっとも完成されたドライバーだよ。それがタイトル獲得に結び付けられていないのは残念なことだ。少なくともあと2回は取れるはずだし、彼はそれにふさわしいドライバーだからね」
そう語ったジェネは、次のように付け加えた。
「そうは言っても、彼はフェラーリにいることで満足しているし、彼にとってここよりいいチームはないだろうね」