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ザウバーの女性ドライバーは「マーケティング戦略」でしかないとセルゲイ・シロトキン

2014年06月26日(木)7:56 am

ザウバーのテストドライバーを務めるロシア出身のセルゲイ・シロトキンが、スイス出身の女性ドライバーであるシモーナ・デ・シルベストロによって自分の将来が脅かされるようなことはないと主張している。

潤沢な資金を持つスポンサーを抱えたデ・シルベストロは、今年4月にフィオラノで2012年型のF1カーによるテストを行っていた。そして、スペインの『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』が伝えたところによれば、デ・シルベストロは再びスペインのバレンシア・サーキットにおいて、やはり2012年型のザウバーF1カーでテストを行ったという。

■最近F1活動の話題がなくなったシロトキン
昨年、厳しい財政危機に陥ったザウバーにロシアの企業グループが「救済契約」の手を差し伸べ、その一環としてシロトキンをF1デビューさせるという条件が含まれていたと考えられていた。そして、シロトキンはいずれザウバーからF1デビューを飾ることになるだろうと思われていた。

だが、それ以降、シロトキンの活動に関する情報は明らかに少なくなっている。

そして、最近、実際にザウバーの救世主となったのはシロトキンのスポンサーではなく、F1最高責任者であるバーニー・エクレストンだったのではないかとのうわさがささやかれている。それによれば、ザウバーの財政問題にエクレストンが介入し、その多額の負債の支払いを肩代わりしたようだという。

だが、当のエクレストンは『Blick(ブリック)』に対してこのうわさを真っ向から否定し、次のように語った。

「そんなことはできもしないし、するつもりもないね」

■今はフォーミュラ・ルノー3.5に専念
そんな折、シロトキンは、現在参戦中の「フォーミュラ・ルノー3.5シリーズ」のほうに集中していることを認めている。

「僕はこれまで常に、自分の仕事を複雑にしたり、この選手権でのパフォーマンスに悪影響を及ぼしたりする可能性があるものに優先的に取り組むことはしないと言ってきていた」

シロトキンはロシアのウェブサイト『f1news.ru』にそう語ると、次のように続けた。

「そのことは、(F1デビューを)いったん見合わせたような印象を与えるかもしれない。でも、僕は継続的にチーム(ザウバー)と連絡を取り合っているよ」

「いくつかの段取りはすでに決定しているよ。そのほかのことについてはザウバーが声明を発表するまで話をすることはできないけれどね。いずれにしても、そのことに関して話をするのは意味がないよ。僕は今(ルノー)ワールドシリーズにかかりっきりだからね」

■シロトキンのF1フリー走行担当は未定
以前は、シロトキンが今年初開催されるF1ロシアGP(10月12日決勝)の前に金曜フリー走行を担当することが、彼の2014年のプログラムに加えられていると考えられていた。だが、現時点ではその確証はないようだ。

「実際、僕はソチ以外にもフリー走行を担当することにはなっていたんだ。まだそれは確定していないけれどね」

シロトキンは続けた。

「もちろん、マーケティングや、公益的なものなど、いろんなことから見てソチで行うのは理にかなっているよ。でも、まだソチで、あるいはどこかよそでそうできるかどうかはまだ分からないんだ」

■デ・シルベストロのことは気にならないとシロトキン
一方のデ・シルベストロはどうなのだろうか? シロトキンに関する動きがあまり見られなくなっている一方で、デ・シルベストロのほうは精力的にテストを行うなど、ザウバーにとっての優先度が彼女のほうへと移ってきている印象がある。

シロトキンは、これに関して次のように続けた。

「ザウバーには、控えドライバーとしてギド・ヴァン・デル・ガルデがいて、テストドライバーとして僕がいる。そして訓練ドライバー(デ・シルベストロ)がいて、チームは彼女がF1のレベルに到達できるよう手助けをしているところだよ」

「僕に言わせれば、これはマーケティング戦略としての意味のほうが大きいね。だから、僕がそれを脅威に感じる必要はないんだ」

そう語ったシロトキンは、次のように締めくくっている。

「今後どうなるか、様子を見ようよ」

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