マクラーレンのジェンソン・バトンについて、来季はF1にとどまることができないのではないかとの推測がだんだん大きくささやかれるようになっている。
現役F1ドライバー中最多出走数を誇るベテランのバトンだが、現在のマクラーレンとの契約は今年までとなっている。だが、マクラーレンのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエは最近、34歳のバトンと来年も新たな契約をかわすことになりそうだとほのめかしていた。
■地元イギリス紙は今年が最後の母国レースと予想
しかし、そうはならないだろうと報じているのがイギリスの『Times(タイムズ)』と『Daily Mail(デイリー・メール)』だ。両紙は、来週末にシルバーストンで開催されるF1イギリスGP(7月6日決勝)が、バトンにとってF1での最後の母国レースとなりそうだとしている。
マクラーレンにとって来年は、ホンダエンジンに切り替えて臨む最初の年であり、2年連続で屈辱とも言えるシーズンを送っている名門チームとしてはなんとしても巻き返しを図らなくてはならない状況にある。そんなマクラーレンの2015年のドライバー候補には、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)といったF1チャンピオンドライバーの名前がうわさに上っている。
■マクラーレンのドライバー決定の陰にロン・デニス?
マクラーレンの総帥であるロン・デニスが、その高い実力を持つ3人のドライバーとの交渉に関して背後で巧みに糸を引いていると言われている。だが、そのデニスはF1オーストリアGP(第8戦)が行われたレッドブルリンクにおいて、「我々は(来季の)ドライバーラインアップを今決定しようとは思っていないよ」と主張した。
だが、『Daily Mail(デイリー・メール)』は、ある関係者が、バトンは2015年のドライバー候補リストの中で「コンマ1秒か2秒」遅れていると語ったと報じている。
■あせってもしかたないとバトン
しかし、当のバトンは、マクラーレンは最終的には自分と契約を結びたいと考えるだろう、と次のように語った。
「彼ら(マクラーレン)がまだそうしていない理由は分からない。それが大規模なチームのやり方なのさ。意思決定や、契約についての話し合いは最後までとっておくことになるよ」
「僕もせかしたりはしていない。もし急ぐように求めれば、僕たちはきっと交渉を始められると思う。でも僕はそうしていないんだ。来るべきときが来れば、それは行われることだからね」