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ミハエル・シューマッハ転院のニュースを歓迎する声。一方で悲観的反応も

2014年06月17日(火)0:07 am

16日(月)に、かつて7度F1タイトルを獲得した伝説的元F1ドライバーであるミハエル・シューマッハが、昨年末のスキー事故以来陥っていたこん睡状態から回復し、リハビリのためにほかの病院へ転院したことが報じられた。

【動画】ミハエル・シューマッハ退院、F1界からも喜びの声

このニュースは圧倒的に前向きなものとして受け止められている。

フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)はツイッターに、「すごくうれしい。いい方向に向かっているね」とつぶやいている。

また、メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダは、ドイツのテレビ局『RTL』に次のように語った。

「非常に喜ばしいことだ。こういう知らせがくると信じていたよ」

「彼が可能な限り早くリハビリを完了して、また我々のいるF1に戻って来て欲しいと願っているよ」

だが、必ずしも全員がこのニュースに納得しているわけではないようだ。

かねてよりシューマッハ関係者が情報を開示しないことに批判的な姿勢を取り続けていた前F1専属医のゲイリー・ハートスタインは、今回出された声明に書かれている「シューマッハはすでにこん睡状態ではない」ということは「ニュース」ではないと指摘している。

なぜならば、シューマッハのマネジャーを務めるザビーネ・ケームが何週間も前に、すでにシューマッハが意識を取り戻し、覚醒(かくせい)に向かう兆候を示したことを発表していたからだという。

「私は、これは非常に不誠実な言葉の使い方だと思わざるを得ないんだ。真実を織り交ぜながら、実際にはそうではないという印象を与えようとするためのね」

ハートスタインは、16日(月)のメディア向けの声明が伝えていることは「すでに我々が知っていること、そして今後の情報開示は期待できないとずっと聞かされていたこと」だけでしかないと指摘している。

その声明の中には、シューマッハがすでにグルノーブルの病院を退院したことが記されているが、スイスのローザンヌにある病院の広報担当者が『AFP通信』に対してシューマッハがすでにそこに入院していることを認めている。

「つまり、彼は自宅からたった30kmのところにいるということだ」

そう書いたドイツの『Bild(ビルト)』紙は、「どのような患者に関しても、医療上の守秘義務を尊重したい」との広報担当者のコメントを紹介している。

『Bild(ビルト)』はさらに、4月初旬に公式声明が発表されて以来、シューマッハが覚醒(かくせい)に向かう期間はどんどん長くなってきているようだと指摘し、次のように続けている。

「ミハエル・シューマッハは声を聞きとることができ、触れると反応を示すことができる。彼の目は開いている。彼は周囲と、特に妻のコリーナや子供たちとはコミュニケーションを取ることができる」

「シューマッハの現在の容体はかなり安定しており、もはやグルノーブルの専門医の助けを必要としない程度となっていると考えられる」

だが、これに対しハートスタインは、シューマッハは「周囲からの刺激に対して変化を見せる兆候」があるだけの「最小限の意識」があるか、あるいは「植物状態」でしかない可能性が高いと考えているとし、次のように付け加えた。

「こういうことを言うのは非常に後味の悪いものだが、ミハエルの家族、そしてあなたがたファンにとっても大きな悲しみが訪れる余地は大きいだろう」

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