レッドブルの最高技術責任者であるエイドリアン・ニューイが、来年のレッドブルのF1カー設計には携わるものの、その後、最前線からは退いていくことになるだろうと認めた。
レッドブルが8日(日)に、天才F1カーデザイナーと称されるニューイがF1の第一線から退くことになるとの声明を発表したことで、F1パドックでは思わず息を飲んだ。
レッドブルは、ライバルチームであるフェラーリからの引き抜きに対抗するため、F1以外の設計プロジェクトのためにも自由に使える「先進的技術センター」を設けるという条件を提示してニューイを手元にとどめることに成功したようだ。
ニューイは、かつてないほど厳しい制限が課せられた現在のF1には不満を抱えつつも、「再考」したことにより、最終的にはピットウォールに戻ることにしたと認め、カナダでメディアに対し次のように語った。
「私は55歳だし、まだビーチで遊んで暮らすには早いよ。だから、今の仕事をもう少し続けて、それから今後どうするか考えるよ」
だが、レッドブルが新たにニューイのために設けるとしている技術センターは、完全にその準備が整うまでにはまだしばらく時間を要することになる。そしてニューイはそれまでは現在の最高技術責任者としての業務に携わることになる。
ニューイが2015年のF1カー設計にも携わることになるのかとの質問を受けたチーム代表のクリスチャン・ホーナーは、「ああ、もちろんだよ」と答えている。
ニューイ自身も、ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に対して次のように語った。
「私は、今後数か月は完全に(F1に)かかわっていくし、2015年のクルマの設計も行うよ」
「その間に、我々は将来に向けてどのようにチームづくりをしていくかということに取り組んでいくことになる」
ということは、ニューイによる2015年型車の初期設計概念が提示された後、それを彼の後任者が引き継いでいくことになりそうだ。
ニューイも次のように続けた。
「私は、アドバイザーとしての役割のほうが大きくなっていくだろう。そして、もし私の同僚たちが助言や手助けを必要することがあれば、私は彼らのところにかけつけるよ」