レッドブルの最高技術責任者エイドリアン・ニューイがF1の第一線を退くのは、現在のF1に「失望」したためだという。
ニューイに関しては、数々のチャンピオンカーを作ってきた天才F1デザイナーを獲得しようと、フェラーリはじめメルセデスAMG、マクラーレンらが多額の報酬をオファーしていると伝えられていた。しかし8日(日)に、ニューイと新たに複数年契約を結んだとレッドブルが発表した。
だが、55歳のニューイは「新たなレッドブルテクノロジープロジェクト」を率いると発表され、F1チームには「助言と指導」だけを行う立場になるという。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコによると、ニューイは現在のF1に「失望」しているという。自由な発想を生かすことが過去のものになってしまったからだ。
「彼のやってきたことは何もかも、ルールを作る者たちの手ですぐに禁止され、制限されてきたことを理解しなくてはいけない」とマルコ。
「技術に関するルールによって彼の仕事は明らかに制限を受け、それが彼にはフラストレーションとなっている。だが、彼を失う代わりに、われわれの見つけた解決策がこれだ」
「ニューイはレッドブルレーシングとの活動をもう1年続ける」とマルコはドイツのテレビ局『Sky(スカイ)』に話している。
しかし、同時にマルコいわく「先進技術センター」をニューイが率いることになり、時間をどう割り振るのかについては、「まだ完全には決まっていない」とマルコも認めている。
「だが、エイドリアンの天才的な頭脳と信じられないほどの経験を、引き続きチームは生かすことができる」とマルコは話している。