かつてインディカーで活躍し、現在はNASCARに参戦しているアメリカの女性ドライバー、ダニカ・パトリックにF1デビューのチャンスが訪れるかもしれない。
F1への新規参入計画を進めているアメリカのジーン・ハースだが、世界で最も有名な女性レーシングドライバーであるパトリックがNASCARからF1に転向することはないだろうと以前語っていた。
パトリックは、NASCARに転向する前はアメリカのインディカーシリーズで活躍。2008年には日本の「ツインリンクもてぎ」でインディカー史上初の女性ウィナーとなるなど、もともとオープンホイールのレースシリーズでその名を知らしめたドライバーだ。
32歳となるパトリックは、現在はハースが共同オーナーを務めるチームからアメリカのトップレースカテゴリーであるNASCARにエントリーしている。だが、61歳となるハースはF1チーム結成を進めるにあたり、現在NASCARに参戦しているドライバーを連れてくることは「不可能」だろう、と4月に次のように語っていた。
「それを成し遂げ、生き残っていくことは、本当に不可能だよ」
だが、4月当時には2015年からのF1参戦を目指していたハースだが、最近その計画を1年遅らせ、2016年からの参戦を目指すことを明らかにしている。参戦開始時期が1年ずれたことで、さまざまな状況にも変化を及ぼしているようだ。
かつてF1のレッドブルやジャガーで上級技術者として活躍していたギュンター・シュタイナーは6日(金)、『Speedweek(スピードウィーク)』に対して自分がハースのF1チームでチーム代表を務めることになると認めている。
シュタイナーは、ジル・ビルヌーブ・サーキットのパドックにおいて、「私がチーム代表になる」と語るとともに、現在、ドライバーのトニー・スチュワートとともにハースがオーナーを務めているNASCARのチームとF1チームの運営は完全に別個のものとして行われることを明らかにしている。
「トニーはレースで金をもうけたいと思っているし、ハースはそれを使いたいと思っているんだ」、とシュタイナーは笑いながら冗談を口にした。
さらに、パトリックのF1チーム加入の可能性について尋ねられたシュタイナーは、次のように答えた。
「それ(ドライバー問題を語ること)は時期尚早だよ。でも、不可能なことなど何もないからね」