フェラーリの前チーム代表であったステファノ・ドメニカリが、今後に向けて「いくつかの非常に興味深い選択肢」について熟考している段階だと認めた。
49歳となるドメニカリは、今年4月、マルコ・マティアッチにチーム代表の座を譲ってフェラーリを離脱したが、これまでの人生のほぼ半分にあたる年月をフェラーリで過ごしてきていた。
フェラーリ離脱以降、ドメニカリの今後についてはいくつかのうわさがささやかれていた。これまでにはなじみのなかったイタリアのバスケットボールリーグでの要職や、アメリカ発の新F1チーム加入の可能性も示唆されていた。
そのドメニカリが、先週末に世界最高峰の2輪レースであるモトGPのイタリア戦へ訪れ、久々にメディアの前に姿を現した。
スペインのスポーツ紙『Marca(マルカ)』から、現在は何をしているのかと尋ねられたドメニカリは、「F1の世界からの連絡を遮断しようとしているよ」と答え、次のように続けた。
「(フェラーリで過ごしたことは)ものすごく特別な経験だったし、私は、これからもずっとフェラーリを応援していくよ。常にね。そしてフェルナンド(アロンソ/フェラーリ)のこともね」
「それから、私は自分の将来に関する決断をすることになる。いくつか非常に興味深い選択肢がある。だが。私は急いではいないんだ」
「そのことについて考える必要があるし、そして来年に向けて最善のものを選択することになる」
今後もレースのような競技の世界に行くことになるのか、あるいは別の分野への転身も検討しているのかと尋ねられたドメニカリは、「私は何も除外はしていない。何だってあり得るよ。まだはっきりしたことは言えないがね」と答えている。
ドメニカリがフェラーリを去るまで、ドメニカリとアロンソがそれほど親しかったことは知られていなかった。その2人はともにモトGPのレースが行われた先週末のムジェロ・サーキットを訪ねていた。
アロンソは、2015年に向け、プロフェッショナル自転車競技チームの立ち上げに携わっている。
アロンソとの関係についての質問を受けたドメニカリは、「ああ、僕たちの関係は非常にいいよ」と答えた。
ドメニカリは、物腰の柔らかな人物であり、特にフェラーリ内での交友関係を大事にしていたことが知られているが、そういうところがF1のような厳しい世界でリーダーシップを発揮するにはふさわしくなかったのではないかとの指摘もある。
それに対して、ドメニカリは次のように主張した。
「言いたい人には言わせておけばいいんだ。でも、みんなといい関係を有したからといって、それによって何かがうまくやれたり、うまくやれなかったりするようなことはないと思っているよ」