ただ今無敵のメルセデスAMGを率いるトト・ヴォルフが、マクラーレンやフェラーリのような大チームの不振に「驚き」を隠せない。
確かにメルセデスAMGはドライバーズとコンストラクターズの両F1世界選手権でトップを独走しているが、ルノー系チームの中からディフェンディングチャンピオンのレッドブルは差を詰めてきている。
「シーズン前と現在の状態を考えると、この数ヶ月で長足の進歩だ」とモナコで語るのは、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーだ。
「このペースを続けることができれば、そう遠くない未来にはメルセデスAMGと戦えるだろう」
しかしながら、その他のライバル勢は大きく事情が異なる。
マクラーレンはメルセデス・ベンツのカスタマーチームだが、基本の「パワーユニット」はワークスのメルセデスAMGと同じものを使っている。一方フェラーリは車体もエンジンも同じマラネロ製で、それなりのメリットがある。
ヴォルフの話をきいてみよう。
「私は驚いているよ。同じパワーユニットを持つマクラーレンは、もっとわれわれをプッシュしていいはずだ」と、イギリス『Guardian(ガーディアン)』紙に話すヴォルフ。
「ヘレスで行った初めての冬季テストですごく手強い印象を受けたのに、彼らはそれを結果につなげることができていない。われわれの目からは、まるで後退したかのように映る」
フェラーリには、さらに驚かされたとヴォルフはいう。
「われわれのエンジンにできることが、彼らのエンジンはできていない。まったく変な話だよ」と、ヴォルフ。「その他のパーツもマシンと一体化していないね。その点もわれわれのマシンと違う」
だが実際のところ、マクラーレンやフェラーリの不振は今に始まった話ではない。
一年前のモナコGPから、F1表彰台の頂上に立ったのはレッドブルとメルセデスAMGだけだ。
「フェラーリもマクラーレンも予算は潤沢だ」というのは、ホーナーだ。
「問題は人材、スキル、そして金の使い方だよ」
「チームの技術、ドライバーの腕、リソースをうまく使って結果を出す企業のスキル、それらが試されるんだ」