次にトロロッソからF1デビューを果たすドライバーの筆頭候補はカルロス・サインツJr.だ。
ご存じのとおりトロロッソはレッドブルの姉妹チーム。彼らは今年、下位カテゴリーGP3で2013年王者となった20歳のロシア人、ダニール・クビアトを大抜てき、これがみごとに当たった。
サインツはクビアトよりわずか数ヶ月ほど若い19歳。WRC(世界ラリー選手権)を2度も制した超大物の息子といった金看板を背負っている。
父カルロスと対照的にサインツの専門はフォーミュラカーだ。今季はフォーミュラ・ルノー3.5シリーズに参戦、ここまで順調にランキング首位を走っている。
レッドブル系の次期ドライバー候補は、今のところサインツといって間違いない。
トロロッソのチーム代表フランツ・トストも、サインツが見せる2014年の活躍について次のように話している。「彼はF1に向かって一直線だね」。
「シーズンはまだ序盤だ。それにフォーミュラ・ルノー3.5には何人か優れたドライバーがいる。今季、彼らがどう成長するか見守りたい」
「その中でもカルロス(サインツ)はよくやっている」と、トストはスペインのウェブサイト『El Confidencial(エル・コンフィデンシアル)』に語る。「この調子で行けば、カルロスがトロロッソをテストしたり、金曜日のフリー走行に参加する日はいずれやってくるだろう」
「それもこれも、すべてドライバー次第だ」と、トスト。「アクセルを踏むのは他でもない、彼なのだ。ドライバーにはいつもこんなことをいっているよ。”自分の将来を決めるのはわれわれではない、自分自身だ”とね」
「昨年の今ごろは、2014年にトロロッソでF1を戦うのはアントニオ・フェリックス・ダ・コスタだとばかり思っていた。まさか大穴の(ダニール)クビアトが乗るなんてね」
昨年トロロッソを巣立ったダニエル・リカルド(レッドブル)に対しても、トストは賛辞を惜しまない。
ただ、クリスチャン・ホーナー、ディートリッヒ・マテシッツ、ヘルムート・マルコ博士といったレッドブル首脳とトストには異なる点がある。トストはリカルドの速さに「驚いていない」のだ。
「彼が短期間で環境に慣れ、抜群の競争力を身につけるのは予想していた」と、トスト。「従って、私には何の驚きもない」
「リカルドから寄せられる技術的なフィードバックは非常に明確で微細に及ぶ。ひょっとしたら、新しい環境への適応能力は(セバスチャン)ベッテル以上ではなかろうか」と語るトストだった。