F1関係者の中には、新規参戦予定チームに対して懐疑的な目を向ける者も少なくない。だが、NASCARに共同オーナーとしてチームを送り込んでいるアメリカのジーン・ハースは、着々とF1参戦に向けた準備に取り組んでいる。
世界的産業機械メーカーであるハース・オートメーション社の設立者でもあるハースは、2015年もしくは2016年からF1に参戦できる資格を手にしている。
ノースカロライナにあるハースの本部を訪れた『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』のミハエル・シュミット記者は、現在ギュンター・シュタイナーによって率いられているハースのチームでは、来年2015年からのF1参戦を目指して活動を行っていると報じた。
シュミットは、かつてジャガーやレッドブルで活躍していたシュタイナーは現在急いで人材を集めつつあるが、多くのF1経験者がこのチームへの興味を示していると書いている。それは、ハースが新たなことへの挑戦と、非常に魅力的な地位を用意しているからだという。
ハースのチーム関係者は次のようにコメントしている。
「興味を示している者は大勢いるよ。だが、我々は、エンジンがどこのメーカーのものになるのかが分かってからでないと人を採用するわけにはいかないんだ」
現在、そのエンジンサプライヤーの最有力候補だと考えられているのがフェラーリだ。フェラーリでは、エンジンばかりでなく、さらに多くのF1カー構成部品をハースに供給したいと考えているようだ。
一方、メルセデスは、すでに自分たちがハースのチームへエンジンを供給する可能性はあまりないだろうとしている。
「我々が供給できるのはエンジンとトランスミッションだけだからね」、とメルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダは語った。
シャシーの製造に関しては、ハースではイタリアのダラーラ社の助けを借りることになるのがほぼ間違いないと見られている。
「200名強の人員体制が築かれようとしている。9月には(ノースカロライナ州の)ムアズビルのファクトリーは準備が整うだろう」
そう書いたシュミット記者は、ハースは同時にイギリスにも拠点を設けるため、現在その候補地を探していると付け加えている。