バルセロナ-カタルーニャ・サーキットで行われたF1公式テストは14日(水)に最終日となる2日目を迎えたが、最大の話題はメルセデスAMGがテストした「メガホン式」排気管のことだったかもしれない。
だが、もうひとつ記者たちを騒がしくした事件も起きていた。それは、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が、この日初めて今季のF1カーでテストを行ったウィリアムズの女性ドライバー、スージー・ヴォルフよりもラップタイムが遅かったということだ。
この件について質問を受けたベッテルは苦笑いをしながら、次のように返した。
「じゃ、もう僕は引退したほうがいいかな?」
このところ、自分自身のここまでの苦戦とともに、新しいチームメートであるダニエル・リカルドの活躍が目立つことで、すっかりその影が薄くなってきているように見えるベッテル。
だが、F1では何が起こるかは分からない。歴史もそれを物語っている。
例えば、全16戦で行われていた1987年に自身3度目のF1タイトルを獲得したネルソン・ピケだが、その年ピケが優勝を飾ったのはシーズン半ばの第8戦のことだった。
とは言うものの、これまでのデータを見れば、さらにルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)のほうが有利だということになる。これまでシーズン中に4連勝を飾ったドライバーでタイトルが獲得できなかった者は誰もいないのだ。