F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッドが、今年初開催が予定されているF1ロシアGPをキャンセルするつもりはないと語った。
クリミア情勢、ウクライナとの開戦危機といった政治情勢のもと、ロシアに対する制裁措置が強められていく状況となっている。今年10月にソチで初開催が予定されているロシア初のF1グランプリについてもその開催を危ぶむ声が日増しに大きくなっている。
事実、スーパーバイクを主催するFIM(世界モーターサイクリズム連盟)ではすでにロシアでのレース開催中止を決定。さらにDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)も現在モスクワでのレース開催について再検討を行っているところだ。
だが、F1チームたちは、現在のところロシアGP開催に関しては統括団体であるFIAの判断に委ねるという姿勢だ。
最近ロシアのスーパーカーメーカーであったマルシャ社とのオーナーシップを解除したと伝えられたマルシャF1チームのジョン・ブース(チーム代表)は次のように語っている。
「イギリス政府からの、そしてもちろんFIAとFOM(F1の商業権を管理するフォーミュラ・ワン・マネジメント)からの勧告がない限り、我々は行く義務を負っている。そういう契約になっているからね」
だが、FIAではロシアGP開催をキャンセルするつもりはないようだ。現時点においては、ロシアGPは予定通り行うことになるとトッドは主張している。
「今のところカレンダーには何の変更もない。ロシアでは開催する」
記者たちにそう語ったトッドは、次のように付け加えた。
「FIMが行ったこと(中止決定)についてはよく理解できる。だが、我々については、現時点においてカレンダー上のどのレースについても(開催を)再考すべき理由は何もない」