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ラウダが「メガホン式排気管」への疑惑に反論

2014年05月11日(日)14:27 pm

メルセデスAMGのライバルたちが、「メガホン式排気管」の導入を阻止しようとするかもしれないと報じられている。

今季ここまで圧倒的な強さを誇っているメルセデスAMGだが、来週バルセロナで行われるシーズン中のF1公式テストにおいて、トランペットのような形状の排気管をテストすることになっている。

これまでに報じられたところによれば、今季導入された新V6ターボエンジンの音が小さいことへの批判が強まったことを受け、各エンジンメーカーが音の改善に向けた話し合いを実施。今回その対策案のひとつとしてテストが行われることになっている「メガホン式」については、昨年までのV8エンジンと新V6エンジンの中間程度の音量を発生することが可能になるだろうと言われている。

だが、オーストリアの『APA通信』がこのほど、この「メガホン式排気管」をレースで使えるようにするためには、「ほかのエンジンメーカーであるフェラーリとルノーの合意が必要だ」と報じた。

その理由は、「彼ら(ほかのエンジンメーカー)が、メルセデスが自分たちを有利にするためにそれを開発したのではないかとの恐れを抱いている」ためだと『APA通信』は付け加えている。

しかし、メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダは、これに対して次のように反論した。

「それによってエンジンの馬力は一切変わらない。唯一変わるのは排気管の形状だけだ」

「それは単に音を大きくするだけだ」と語ったラウダは次のように付け加えた。

「誰もが、メルセデスがこれを開発したのは自分たちを有利にするためだと考えている。まったくもってナンセンスだ」

ラウダはさらに、これまでファンが大きな音を求めていることに対して具体的な対応を行ったのはメルセデスだけだと主張。『Bild(ビルト)』紙に対して「よそ(のエンジンメーカー)は何もやっていないじゃないか」と声を荒らげた。

また、ラウダはこのメルセデスが考案した対策装置は、ライバルのルノーやフェラーリエンジンの排気管にも簡単に設置することが可能だと主張するとともに、最初に行った実験室でのテストではこの装置により現行の新V6エンジンの「ほぼ2倍の音量にまで到達」することが示されたと語った。

「問題は・・・」とラウダは続けた。「すべてのチームが合意する必要があるということだ。それだけのために導入されないということになるのかい? くだらないね」

一方、ライバルエンジンメーカーであるルノーは、F1に音の問題があるとは考えていないとしている。

「例えば、F1以外のほかの有名なレースとしてル・マン・シリーズがある」

『Speedweek(スピードウィーク)』にそう語ったルノー・スポールF1の責任者であるジャン・ミシェル・ジャリニエは次のように続けた。

「昨年、私もそのレースの現場へ行ったが、そこでは70台以上のクルマが走っていた。それでもスタート時の音量はこの(F1の)22台のものよりもっと小さかったよ」

「だが、誰もル・マンが面白くないなどと文句は言っていないよ」

「もし(下位カテゴリーの)GP2のほうが音が大きいとすれば、それは単にGP2がF1よりも時代遅れなので音の問題を抱えているという話になるだけだ」

「時代の流れとともに歩まなくてはならないんだ」、とジャリニエは続けた。

「そして、もはやV10やV8時代のように100kmごとに60リットルもの燃料を消費するような時代ではないんだ」

ところが、興味深いことに、少なくともライバルチームであるレッドブルでは、メルセデスAMGがテストを行うことになっている「メガホン式排気管」の導入を阻止しようなどとは考えていないようだ。

レッドブルのモータースポーツ責任者であるヘルムート・マルコは次のように語った。

「(来週の)テストは正しい方向へと向かう第一歩だよ」

「今ではGP2のほうがF1よりも音が大きいんだ。そんなことは許されないよ」とマルコは主張している。

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