ウクライナの政情不安で、ロシア企業とザウバーのスポンサー交渉がストップしている。チームが認めたものだ。
ザウバーの財政危機は良く知られているが、ようやく昨年、ロシアから「救いの手」が差し伸べられ、10代のテストドライバー、セルゲイ・シロトキンと契約するに至った。
ところがチーム代表のモニシャ・カルテンボーンによると、ここへ来てロシア側スポンサーとの話し合いが「行き詰まった」のだという。ウクライナが内戦の危機に陥り、アメリカとヨーロッパの経済制裁がこれに追い打ちをかけたためだ。
「かなり進展していた交渉が一転、こう着状態に陥った」とカルテンボーンはいう。
「みんな固唾をのんで状況を見守っているが、影響度の大きさは計り知れない。経済制裁発動で大きな痛手を被っている者もいる」
「事態が早期に打開し、すべてのスポンサー契約がクリアになることを切に願っている」と、カルテンボーンはスペインGPで語っていた。
スポンサー交渉で同じく影響を受けているのがトロロッソだ。2014年新加入のダニール・クビアトはロシア人。おまけに若くて才能豊かだ。
チーム代表のフランツ・トストは次のように話す。「円満に話し合いがまとまるよう願うのみだ。ソチに行くんだから、それはそれは重要だ」
トストが指すのは今年初開催のF1ロシアGPだ。予定では10月に行われる。
ロシアではすでに二輪のスーパーバイク・レースが開催中止なっていて、モスクワで予定されているDTM(ドイツツーリングカー選手権)のロシア・ラウンドも、いつキャンセルされてもおかしくない。
ただ、マルシャのチーム代表ジョン・ブースがいうには、ソチのF1グランプリは行うというのが現在のシナリオだ。
「近年のバーレーンのように、渡航が安全かどうかは政府のガイドラインに沿って行動すればよい」