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F1チームはコスト削減ルールに合意すべきとFIA会長

2014年05月07日(水)22:06 pm

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の会長職にあるジャン・トッドが、F1の有力チームで構成されている「戦略グループ」によって2015年からの予算制限ルール導入を否決されたことで、両手を縛り上げられたような状態だと主張した。

トッドの前にFIAの会長を務めていたマックス・モズレーは、高圧的な姿勢で知られており、どちらかといえば控えめだとみられているトッドとは対照的な存在だった。だが、そのモズレーであればF1チームに対しコスト削減を容認させる手段を見つけていたのではないかとも言われてきている。

だが、トッドはイタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に対し、現在のF1におけるルール承認手順に割って入るような力はなかったと語った。

2014年にまず提案されたのは、燃費効率の高い、音の小さなV6ターボエンジン導入に代表される今年の大きなルール変更の一部見直しであった。

「まず、私にはレギュレーションを変える権限はないんだ」、と語ったトッドは、次のように続けた。

「それに、もし私が、多分(フェラーリ会長のルカ・ディ・)モンテゼモーロが望むような形でそれを行っていたとしたら、どういう反応が起きていたか想像できるかね?」

「私の仕事は、スポーツが正しい方法で確実に運営されるようにすることなんだ。そして、すでに承知のとおり、不満が表明された。だが、あまりにもたびたびそういうことが起こるため、不満を抱えている者の声は、満足している者たちよりもさらに大きくなってきている」

「これは競争の世界であり、そこで勝てない者は常に不満を抱えるんだ」、と語ったトッドは、「それは永遠に変わらないよ」とほほ笑みながら付け加えた。

「だが、今年は新しい意思決定機関がある。戦略グループだ」

トッドは、フェラーリ、メルセデスAMG、レッドブル、マクラーレン、ロータス、そしてウィリアムズで構成されている主要チームによるグループが、最初に受け入れていた2015年以降の予算制限ルール導入に最後まで従ってくれることを望んでいた。

だが、戦略グループは最終的に、その方針をくつがえし、苦境に立たされている小規模チームたちの怒りを買うこととなった。

「私はF1にはあまりにも金がかかり過ぎると確信しているし、間違いなくなんらかの手が打たれるべきだと思っている」

そう語ったトッドは、さらに続けた。

「だが、我々FIAのコストに対する影響力は事実上ゼロなんだ」

「それでも、私はこの状況に介入する責任があると感じている。なぜなら、大規模チームはスポンサーシップによる大きな分け前を手にしているのだからね」

かつてフェラーリのチーム代表を務めたこともあるトッドは、「私も制限をかけることでコストをコントロールできるとは信じていなかった」と認めたものの、「しかし、私はチームたちに言ったよ。もしそれが実現可能だと示してくれたら、よろこんで制限を設けるよ、とね」と続けた。

「ほとんどのチームが合意していたんだ。だが、今でも、なぜ戦略グループの6チームが反対しているのか理解できないよ」

「失望したかって? そうだね、ある意味では失望した。今となっては削減目標を達成するのはさらに困難になるだろうからね」

しかし、トッドは、FIAではすでにさまざまなルール変更に関する「提案書類」を用意していると明かした。それは、観客やテレビ観戦者に影響を及ぼすことなく「大規模チームと小規模チームとの差を縮める」ものになるという。

「2015年にはすでに何かを始めないとならない。戦略グループやF1委員会での承認のもとにね」

そう述べたトッドは、次のように締めくくった。

「全体では18票で決することになる。だから、9票かそれ以上を集めることができればうまくいくだろう。それができなければ、(承認は)無理だろうね」

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