2012年シーズンまでメルセデス・ベンツのモータースポーツ責任者を務めていたノルベルト・ハウグが、2014年シーズンはメルセデスAMG勢のふたりのドライバー、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグによる接近戦が繰り広げられるだろうと予想している。
ハウグと同じドイツ出身のロズベルグは、現時点ではドライバーランキングのトップに立っている。だが、チームメートのイギリス人ドライバーであるハミルトンは第2戦以降3連勝を飾って、ロズベルグを猛追してきている。
現在、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)の解説者を務めているハウグは、『Bild(ビルト)』紙のインタビューに対し次のように答えた。
「ニコとルイスは非常に接近している」
「彼らの両方に、今シーズン残りを支配するチャンスがあるよ」
メルセデスAMGのF1カーがほかのトップチームよりも圧倒的な優位を誇っているだけに、今シーズンこれからについてはロズベルグとハミルトンによるタイトル争いが焦点になると考えられそうだ。
「ふたりの間でずっと接近戦が繰り広げられることを期待しているよ」
そう語ったハウグは、2010年からメルセデスAMGの本部があるブラックリーでともに仕事をしてきたロズベルグと、メルセデスの育成ドライバーとしてジュニア時代からキャリアを積んできたハミルトンのどちらか片方に肩入れするつもりはないと次のように続けた。
「いや、私は彼らのどちらも好きなんだ。ルイスもニコも彼らが子供のころから知っているし、ふたりとも誇りに思っているよ」
「これからも、バーレーンのときのような激しくてワクワクするようなレースをたくさん見たいね。でもすべての戦いには、最後には勝者と敗者が生まれることもはっきりしている」
そう語ったハウグは、最後に韻を踏んだ洒落(しゃれ)で締めくくった。
「ヒーローとゼロは、モータースポーツの世界ではそれほどの違いはないんだ」