F1の下位カテゴリーであるGP2シリーズで2013年にチャンピオンに輝いたスイス人ドライバーのファビオ・ライマーだが、1400万ドル(約14億3,000万円)という資金を手にしながらも、今季のF1シートを獲得できなかったことが明らかになった。
2014年シーズンは世界耐久選手権(WEC)に参戦することになる25歳のライマーは、これまで長期にわたってライナー・ガンテンバインという資金力に富むスポンサーの支援を受けていた。
『Blick(ブリック)』紙のベテラン記者であるロジャー・ブノワは、ガンテンバインではザウバーに対し今季のシートを獲得するために1400万ドルに及ぶ支払いを申し出ていたと書いている。
だが、伝えられるところによれば、ライマーはザウバーの内部関係者から、ザウバーとしては2800万ドル(約28億6,000万円)を要求したいとの回答を受けたという。その金額は現在のドライバーのひとりであるエステバン・グティエレスのメキシコのスポンサーが支払う金額をわずかに下回るものだったとされている。
ザウバーでは、最終的にグティエレスの新たなチームメートとして、経験豊かなエイドリアン・スーティルと契約を行った。
しかし、そのスーティルの2015年のシートも安泰ではなさそうだとブノワは指摘している。
ブノワによれば、昨年までケータハムに在籍し、今季はザウバーの控えドライバーを務めているギド・ヴァン・デル・ガルデのオランダのスポンサーが、ザウバーに対し来季のシート獲得に向けて「巨額」の支払いを約束しているという。
ヴァン・デル・ガルデがすでにザウバーとの仮契約も済ませていることを示す兆候もある。それは彼がバルセロナで行われるF1スペインGP(11日決勝)の金曜日のフリー走行1回目を担当するだけでなく、その後バルセロナで行われるテストにも参加することが明らかとなっていることだ。
ザウバーでは、ロシアとの「救済契約」の主役であるセルゲイ・シロトキンも現在テストドライバーを務めている。また「提携ドライバー」という位置づけになっている元インディカー女性ドライバーのシモーナ・デ・シスベストロの存在もこのところ大きく取り上げられるようになってきており、来季に向けたシート獲得合戦もより激しさを増していきそうだ。