F1最高責任者バーニー・エクレストンの贈賄容疑を審理する裁判が2日(金)にミュンヘンで再開する。
起訴状によれば、エクレストンはドイツの元銀行家ゲルハルト・グリブコウスキーに賄賂(わいろ)を渡したとされているが、エクレストンは恐喝されたと主張している。
今回の公判では、検察側が1人目の証人を召喚するとドイツの『DPA通信』が伝えている。
報道によると、第一の証人は元検察官のヒルデガート・ボイムラー-ヘスルで、この事件を何年も前から担当していたという。
検察側は、グリブコウスキーに支払ったとされる4,400万ドル(約45億円)について、エクレストンの供述が一貫しているかどうかに焦点を当てるものと見られている。
エクレストンが有罪となった場合、F1最高責任者の地位を追われることは確実と見られている。しかし、長年にわたってF1を率いてきたエクレストンの存在は大きい。
F1に燃料を供給するフランスの石油大手トタル社長クリストフ・ド・マルジェリは、「バーニーなしでは、体制が崩壊する可能性もある」と警告している。
また、ロータスのチーム会長兼チーム代表ジェラルド・ロペスも、エクレストンの存在は「簡単に交代できるものではない」とフランスの経済誌『Challenges(シャランジュ)』に語っている。
4度のF1チャンピオンであるアラン・プロストも次のように話す。「誰が彼の代わりになれるのか、まったく分からない。あるとすれば、F1の専門家1人と経済面の専門家1人の組み合わせかもしれない」
エクレストン自身は、少なくとも表向きは自信満々の態度を崩していない。
以前は、裁判の期間中に職務を委任する必要性をにおわせていたエクレストンだが、それも変わったようだ。
「今いろいろと言われていることは承知しているが、裁判が終わるころには大丈夫なはずだ」とエクレストンはインドの『PTI通信』に語っている。
「今のところ誰とも仕事を共有してはいない。週2日は裁判の関係で忙しいが、残りでF1の職務を果たすのに十分だよ」