今年の5月1日(木)は、伝説的F1ドライバーであったアイルトン・セナがイモラ・サーキットで事故死してからちょうど20年目となる。
そのセナの事故以降、F1では死亡事故は起こっていない。だが、セナの事故のたった1日前には、同じイモラでオーストリア人ルーキードライバーであったローランド・ラッツェンバーガー(シムテック)がやはり命を落としていた。
ラッツェンバーガーの父親のルドルフは、スイスの『Blick(ブリック)』紙に今週、「それによってローランドは幸せな男として死ぬことができた」と語り、ザルツブルグにあるラッツェンバーガーの墓には「夢のために生きた」との言葉が刻まれていると明かした。
セナやラッツェンバーガーと同世代の元F1ドライバーであるジャン・アレジは、90年代中盤を思い起こしながら、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「我々は今、どうすれば小規模チームを救うことができるかという話をしている。でもあの当時は自分たちのクルマに安全対策を施すための資金もなかったんだ」
昨年、最年少で4年連続F1チャンピオンとなったセバスチャン・ベッテル(レッドブル)も、今週『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように語っている。
「みんなはいつもセナのことを考えている。でも、僕たちはローランドのことを忘れてはならないよ。F1がさらに安全なものとなったのは、彼のおかげでもあるんだからね」