ヤン・マグヌッセンがマクラーレンのピットで息子ケビンを見守る姿は、今後あまり見られなくなりそうだ。
自身もまだレーシングドライバーのヤンは、ケビンがF1デビューを飾った3月の開幕戦オーストラリアGPと同じ週末、遠くフロリダ州セブリングでスポーツカーレースに出場していた。
「9,600kmも遠方から息子のレースを観戦するのは楽しくも何ともないよ」と、40歳のヤン。「こんなことは何度もごめんだね」
その言葉通り、第2戦マレーシアGPに姿を現したヤンは、現役を引退してケビンのサポート役に徹することを考えていた。
「ケビンは今やF1ドライバーだ。私があとどれだけキャリアを続けるか、どうしても考えてしまうよ」と語るヤン。ケビン誕生時、ヤンはまだ十代の若さだった。
「自分のレースに集中するかケビンの側についていたいのか、決心しなければならない」
ところが上海での第4戦中国GP、こともあろうにケビンは一人でF1を戦いたいと心中を吐露したのだ。
イギリス『Guardian(ガーディアン)』紙は、父親の現役引退を支持するかケビンに質問したところ、彼は間を置いて次のように答えた。「それはないかな」
「僕は一人でじゅうぶん満足だ。その理由は、周囲に家族がいたら気が散ってしかたがない」
レースやF1について父親と会話するのは楽しいというが、「サーキットでは助けにならない」とのことだった。