ロータスのチームオーナー、ジェラール・ロペスは20日(日)、コスト上限設定の導入反対派についたのは嫌々だったことを明らかにした。
コスト制限に反対の立場をとったのは、F1で一大勢力の「戦略グループ」に属する6チーム。メンバーは「ビッグ4」と呼ばれるレッドブル、フェラーリ、メルセデス、マクラーレン、それにウィリアムズとルノーである。彼らは先日、上限設定を提案したジャン・トッドFIA会長宛てに、これを承認しない旨の手紙をしたためた。
ウィリアムズが戦略グループにいるのは過去の戦績と歴史的見地から、また、ロータスは2013年のF1コンストラクターズ世界選手権で4位に入った結果、グループ入りしたものだ。
ところがロペスはドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌に、両チームとも手紙に署名するよう強制されたと受け取れるような発言を行っている。
「ウィリアムズも我々も、テーブルをひっくり返さんばかりの勢いに飲み込まれた」と話すロペス。
大手チームは、2億ドル(約204億円)のコスト上限は小チームの役に立たないばかりか、効率的な監視を行うのも不可能と主張している。
メルセデスAMG会長のトト・ヴォルフは20日(日)、次のように語ったとされる。「3大チームの支持を得られない規則の導入はナンセンスだ」
大手チームが提示する代替案は、新たな技術と競技規則を取り入れてコストを下げるというものだ。
「制限を設けるにしても、意味のあるものを見出す必要がある」と、ヴォルフ。「例えば、パルクフェルメ(車輌保管)や夜間のガレージ立入禁止を延長するなどだ」
「レースの週末になると毎日、新パーツを空路搬入したり、レース直前に24時間交代制を敷いて作業することが果たして賢明か話し合う必要がある」
しかし、小チームはこれに懐疑的だ。大手チームだったら、風洞使用制限のような既存のコスト削減策を回避する方法など、とっくに見つけたに違いないと考えているのだ。
ある小チームの代表は、「大手チームのダウンフォースを見るにつけ、コスト制限の範囲内でこんなことができるはずはないと思ってしまう」と話している。