F1にエンジンを供給しているルノーは、そのカスタマーチームに対する扱いに差をつけているかもしれない。
最優先されているのは、ルノーを4年連続チャンピオンエンジンにしてくれたレッドブル。2番手がその姉妹チームであるトロロッソで、ロータスはどうやら3番手に位置付けられているようだ。
こう指摘しているのは、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌のミハエル・シュミット記者だ。
すでに報じられている通り、レッドブルとトロロッソが第3戦バーレーンGPから使用していたルノー製のV6ターボ「パワーユニット」の改良版をロータスが入手したのは、第4戦中国GPでのことだった。
同じサプライヤーを採用しているにもかかわらず、最新技術の適用時期に差が出た理由について、『Autosprint(オートスプリント)』は、ロータスの2014年型車E22に「ほかの技術的な問題」があったためだとしているが、どうやらこれには裏があったようだ。
シュミット記者によると、メルセデスエンジンに比べ、約半分の開発費しかもたないルノーは、すべてのパートナーチームに供給できるだけの改良パーツを生産できていないという。そして、「(ルノーにとっては)事実上のワークスチームであるがため、レッドブルが優先されている」のが現状だとしている。
さらに、レッドブルはルノーに対し、姉妹チームのトロロッソのパワーユニットに発生した問題の修復も急がせたという。その結果「トロロッソも最新のエンジンをいち早く手にする幸運に恵まれた」のだとシュミット記者は付け加えた。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』はさらに、今年ロータスが使っているエンジンはレッドブルが使用しているものに比べると約30馬力も劣っている場合があると指摘し、「この状況を重くみたロータスは、ルノーに対してレッドブルと平等に扱うよう求めた」と伝えている。
シュミット記者は、レッドブルでは、自分たちが優先されるのはチームのタイトルスポンサーであるインフィニティがエンジン開発に出資したためだと釈明していると説明。
それでもロータスはルノーに対し、来月のスペインGP(5月11日決勝)以降には完全に平等な扱いをすることを求めている。
チャンピオンチームと同じエンジンを手にできる確信があるのか、ロータスのトラックサイドオペレーションズディレクターであるアラン・パーメインは次のように語った。
「我々が期待するクルマの能力を発揮できるのは、もう時間の問題だ」