F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、かつての懐かしいF1カーやドライバーたちによる新たな「マスターズ・シリーズ」の立ち上げを計画しているようだ。
2005年にも一度、ナイジェル・マンセル、エマーソン・フィッティパルディ、リカルド・パトレーゼといった往年の名ドライバーたちを集めて「GPマスターズ」が開催されたことがある。だが、このシリーズは2006年にわたって合計わずか3レースが行われただけで幕を引いていた。
そして、このほどF1ビジネス記者として知られるクリスチャン・シルトが、エクレストンが自ら新たなマスターズ・シリーズの立ち上げを計画していると報じた。それによれば、このエクレストンのシリーズには「ヒストリックF1」という名称が与えられることになるという。
『Forbes(フォーブス)』は、元F1ドライバーであり、マクラーレンでアイルトン・セナのチームメートだったことでも知られるゲルハルト・ベルガーの次のようなコメントを紹介している。
「これはうまくいくと思うし、かつてのF1ドライバーたちは誰もが参加したがるはずだよ」
やはり元F1ドライバーのマーティン・ブランドルも、「もしF1のサポートレースとして行われるのなら、なおのことだね」とそれに同意している。
シルトは、今季からF1が導入した新しいV6ターボに対してかねてより批判的だったエクレストンは、その新しいシリーズでは耳をつんざくような大音響を発生するV10エンジンを搭載したクルマを用いることを計画していると語った。
エクレストン自身も、『Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)』に次のように語った。
「我々はそれに関して話し合いを持ってきたし、やらなくてはならないことなんだ」
「昔のドライバーたちの多くは絶対にまだ十分うまくやれるよ」
エクレストンは、2005年に立ち上げられてすぐに消えてしまった以前のマスターズ・シリーズのようにワンメイクカー・レースにするのではなく、グリッドに本物のF1カーを並べるというアイデアを持っていると語った。
だが、ブランデルはそれに対し、次のようにコメント。
「かつて活躍していたおなじみのドライバーたちをやる気にさせるには、もっと安全で、身体的にも運転が楽なクルマにする必要があるんじゃないかと思うよ」
1996年のF1チャンピオンであるデーモン・ヒルもこの意見に同意し、「ほとんどの年老いたドライバーたちは家に帰って、いい本でも読みながら早めに寝たいんじゃないかと思うよ」と付け加えている。