昨年まで4年連続でドライバーとチーム別のタイトルを獲得してきたレッドブルだが、今季ここまで圧倒的な強さを示しているメルセデスAMGに対し、1か月以内には「少なくとも手が届くところ」にまでは追いつきたいと期待している。
開幕戦F1オーストラリアGP、第2戦マレーシアGPと連勝を飾ったメルセデスAMGは、先週末行われた第3戦マレーシアGPではルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのチームメート同士が激しい先頭争いを展開してみせていた。
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、ほかのドライバーたちに1周あたり2秒もの差をつけて独走していたバーレーンでのメルセデスAMGに関し、「彼らの本当の実力を初めて目の当たりにした」と語り、さらに次のように続けた。
「中国(4月20日決勝)でもメルセデスAMGを打ち破るのは難しいだろう。1キロメートルにもおよぶ長いストレートがあるからね」
「だが、ヨーロッパへ戻ったときには彼らに詰め寄っていかなくてはならない」
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコも、5月中旬に行われるスペインGP(5月11日決勝)やその後のレースに言及しながらオーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語った。
「ヨーロッパでのレースまでには少なくとも手が届くところにまでは行きたいと期待している」
「バーレーンではいいエンジンが必要だ。そして中国でも2本の長いストレートがあるからやはり難しいだろう」
「だが、バルセロナやモナコのようなところでは、再びシャシーの重要性が高くなるんだ」
そう語ったマルコは、現時点において独走態勢を築いているメルセデスAMGを称賛し、次のように続けた。
「(メルセデスAMGが)創意工夫とかなり長期にわたる準備を行ったことで、我々とフェラーリにはいずれも彼らとの差を詰めるためにやるべきことがたくさんある」
「それは、天才的な発想によって達成できるようなものではないよ」
メルセデスやルノーとならんでF1のエンジンサプライヤーでもあるフェラーリも、改善に向けて力を注いでいる。
今週バーレーンでのテストに参加しているフェラーリのフェルナンド・アロンソは、「僕たちにはそれを行うための人材や資産、そして底力もある。僕たちは非常に積極的な(開発)プログラムを用意しているし、それが今僕たちに必要なものなんだ」と語った。
フェラーリからエンジンの供給を受けているザウバーも、メルセデスエンジンを搭載するライバルたちに追いつくためには、懸命な取り組みが必要だと認めている。トラックエンジニアリング責任者のジャンパオロ・ダラーラは次のように語った。
「バーレーンでは、3つのエンジンメーカーのうち1社がパワートレインに関して大きなアドバンテージを有していたのは明らかだ」