4年連続F1チャンピオンであるレッドブルが、9日(水)に新たな空力責任者を任命したと発表したことに対し、マクラーレンが抗議を行っている。
昨年暮れ、レッドブルの空力責任者であるピーター・プロドロモウがマクラーレンと契約を交わしたというニュースが報じられたが、その時点で、マクラーレンはプロドロモウの直近の部下で、空力部門の「責任者代理」の立場にあったダン・ファローズとも契約を交わしていた。
だが、レッドブルは9日(水)、ファローズがレッドブルの新たな「空力責任者」に就任したと発表した。
レッドブルは、その声明の中で次のように述べた。
「彼は以前(空力の)チームリーダーを務めていたが、昨年から短期間チームを離れていた」
「彼は、新たな役割を担って働くために、このほど復帰した」、とレッドブルは付け加えている。
しかし、マクラーレンはこれに対し、ファローズとは「法的に拘束力のある契約」を交わしているとして、マクラーレンとの契約を履行するように強く求めている。
レッドブルでは、いったんチームを離れたファローズに対し、今後チームを正式に離脱するプロドロモウがこれまで就いていたポジションと報酬を提示することで心変わりさせたものと考えられている。
マクラーレンのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエは、9日(水)に行われたメディア向けテレビ記者会見において、「この件については、今後弁護士の手に委ねられる」と述べた。
一方、マクラーレンへの移籍が確定しているプロドロモウだが、レッドブルでは彼がすでに「ガーデニング休暇」(※)に入るためにチームを離れたことを明らかにしている。
(※)ガーデニング休暇:要職にある者が離職する際に機密情報が漏えいされることを防止する目的で、離職後も一定期間ほかのチームへの移籍禁止条項が契約に盛り込まれることが多い。こうした場合、離職後次のチームで仕事を始めるまでの期間はどこにも所属せず、庭いじりをしながら過ごすことになるとの意味で、こうした期間のことを「ガーデニング休暇」と呼ぶ。