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新規則抵抗派に厳しいトッドFIA会長

2014年04月07日(月)12:51 pm

ジャン・トッドFIA会長が、新世代F1に不満のチームに至極おかんむりだ。

6日(日)、バーレーンでトッド、バーニー・エクレストン、フェラーリ社長ルカ・ディ・モンテゼモーロの三巨頭が会合に臨んだが、これに先立ってトッドは、大胆な新規則に批判的なチームを激しく口撃した。

「シーズンが始まってたった2戦でダメと決めつけるとはね。ジョージ・ルーカスやブラッド・ピットがまだ完成もしていない新作映画にケチをつけるかね。(あたかも)『見たら損をするぞ』と言っているようなものだ!」と、トッドはドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌に語っている。

ではなぜ各チームは新規則を嫌っているのか。批判の急先鋒に立っているのは、圧倒的実力を発揮するメルセデス・エンジンを相手に苦戦している者たちだとトッドは言う。

「メルセデス、ルノー、フェラーリの3社は、今年使用するエンジンの規格を5年前から把握していたはずだ」と、トッド。「メルセデスは単に他メーカーより良い仕事をしたにすぎない」

「それがモータースポーツというものだ」と、トッドはきっぱりと言う。

トッドによると、唯一、的を射ている批判と言えばV6ターボが発するおとなしいエンジンノイズだ。

「エンジン音が静か過ぎるとの意見は、理解できないでもない」「もう少しF1にふさわしいサウンドにできないものか、方法を探ってみる」とトッドは語っていた。

また、燃料の流量制限規則を廃止してはといった提案についてトッドは次のように説明する。「私は別に無くしてもかまわない。だが技術者たちは言うんだ。もしそうなったら、制限ありなら年間5機のエンジンで済むところ、10機は必要だろうとね」

さらにトッドは、かつてフェラーリで上司だったモンテゼモーロに取り分け批判的だ。モンテゼモーロは、燃料制限のおかげでF1はレースから”エコノミー走行”になり下がったと新規則をこき下ろしている。

「ルカはとりあえず技術者たちと話し合ったほうが良い。そうすればもっと事情通になれるだろう」

「燃料セーブはいつの時代にもやっていたことだ。V8自然吸気エンジン最終年の2013年だって例外じゃない。ドライバーとピットの無線交信で、いったい何回こんなセリフを聞いたことだろう?”燃料をセーブしろ!”」

新規則をこき下ろす者たちが提唱しているルール再改正、その中身はエンジン”開発凍結”の解除だ。だがトッドは言う。「それには全員の同意が必要だ。しかし、果たしてメルセデス系チームが賛成するだろうか?」

見た目に遅すぎる今のF1を救うために早急な規則変更をといった意見は、確かにメルセデスAMG会長トト・ヴォルフにとって受け入れがたいものだ。

「我々は昨年のポールポジションからタイムにしてコンマ8秒遅かったにすぎない。そんな我々に何を言わせたい?」と、ヴォルフは語る。

「いま我々は大きな技術革新を起こしている。我々の活躍に他の者はぐうの音も出ない。だがそれは我々が仕組んだとでも?」

トッドは、シーズン途中の規則変更はしないと言っている。一部を変えるにしても早くて2015年だそうだ。「だが、私にはその理由が見つからない」とトッドは記者団に語る。

「何だか、いくつかのチームから声が聴こえてきそうだよ。”我々は100kg(の燃料)で効率的かつ速いマシンを作ることができなかった。だったら、さらに10kg積めるようにしよう。申し訳ない。我々は本来の仕事ができなかったんだ”」

「話し合うのは良いが、その内容が情けないものばかりでね」とヴォルフは言う。

ヴォルフと共同でメルセデスAMG会長を務めるニキ・ラウダも、2014年中の規則変更に否定的だ。

「それはそうだろう。だったら何故レッドブルが勝ちまくっていた昨年のうちにすべての規則を変えなかったのだ?」と、ラウダはイタリア『Autosprint(オートスプリント)』に語った。

特にラウダはレッドブルから聞こえてくる不満に我慢がならない。

「(昨年)彼が勝って私は嬉しかった。しかし今、私は彼に言いたい。”ヘルムート(マルコ博士)、世の中、負ける時もあるんだぞ”」

「新規則は5年前に決まった。それが事実なんだ。我々はそれを受け入れなきゃならん」

「レッドブルは楽しくてエネルギッシュなイメージで売っているんじゃないのか?今の彼らがそのような姿勢を守っているとは思えないね」

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