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明るいニュースが流れたシューマッハ、しかし「まだ注意が必要」と著名医師たち

2014年04月05日(土)16:51 pm

4日(金)に、昨年末のスキー事故以来こん睡状態が続いていたミハエル・シューマッハの「意識が戻る瞬間」があるというニュースが伝えられ、F1バーレーンGP(6日決勝)のパドックにもほっとする声が広がった。

だが、かつて7度F1チャンピオンに輝いたシューマッハのマネジャーであるザビーネ・ケームが発表したその短い声明には、家族の立場を尊重するとともに、医療チームが「落ち着いて」治療を続けられるようにするため、その回復状況に関する「詳細」を明らかとすることは差し控える、とも記されていた。

だが、何人かの高名な医師たちは、すぐにそのニュースに対する自分の見解を述べている。

フランスのスポーツ日刊紙である『L’Equipe(レキップ)』の医療コンサルタントを務めるアラン・シモン医師は、シューマッハに関する最新の声明について「解釈が難しい」と語り、次のように続けた。

「それは、彼(シューマッハ)が声をかけられたときに、目を開けたり閉じたりするというような意味かもしれない」

「こういう段階にある人は話すことはできないから、このような形が数か月に及ぶことがある」

シモンは、シューマッハの回復状況は、実際のところ非常にタイミングがよかったと言えるかもしれないと次のように続けた。

「頭に衝撃を受けて意識を失った場合、それが3か月以上に及ぶと、そのまま長期のこん睡状態が続くという結果を伴うことが多い」

また、フランスのテレビチャンネル『BFMTV』の医療コンサルタントであるアラン・デュカルドネは、ケームが4日(金)に発表したシューマッハに関する声明は「よいニュース」だとし、次のように語った。

「これまでは何も特別なことは起こらなかった。彼を覚醒(かくせい)させようとしたものの、彼が目覚めることはなかった」

「だが、『意識が戻り、目覚めようとする瞬間』というのは、非常に重要なことであるかもしれないし、何も意味のないことかもしれない」

「多分、彼は単純な命令に反応しているのだろう。目を開けなさいとか、手を動かしなさいというようなね。恐らく、彼が痛みを感じるかどうかを見るために皮膚をつねってみたりもしたかもしれない」

「これらは、意識があるかどうかを見るために最初に行うことなんだ」

だが、フランスの神経外科医であるフィリップ・デッキは次のように注意を促している。

「非常に注意深くあるべきだ」

「覚醒(かくせい)の兆候というのは、恐らくは目の動きの観察によるものだろうし、視線を合わせるようなこともあったのだろう。これは希望を与えてくれるものだし、それを聞いてうれしく思っている。だが、我々は非常に注意しなくてはならない」

そう語ったデッキ医師は、次のように付け加えた。

「受けた傷は明らかに非常に深刻なものだ。何が起こるか分からない。このような厳しい衝撃を受けたあとで、無傷のままでいられることは決してない」

一方、シューマッハの元マネジャーであるウィリ・ウェバーは、今回のニュースを歓迎すると4日(金)に次のように語った。

「神に感謝するよ。私にとっては、今年の最高のニュースだ」

『Bild(ビルト)』紙は、シューマッハは現在入院中のグルノーブル病院において、絶えず観察下に置かれる必要が少ない患者向けの集中治療区画へと移されていると報じている。

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