マクラーレンの今季型車MP4-29が初公開されたとき、その異様なノーズに誰もが驚かされた。開幕戦のF1オーストラリアGP決勝では、ジェンソン・バトンのピット作業中にその鼻先が欠けるという珍しい事件が発生したことも記憶に新しい。
だが、このノーズは、勝つことにこだわったマクラーレンが満を持して2014年に登場させた独創的F1カーの象徴的存在であるようだ。28日に開幕した第2戦マレーシアGPの舞台となったセパンに持ち込まれたMP4-29の「アリクイ型」ノーズにはさらなる改良が加えられている。
そのマクラーレンをけん引する最高権威のロン・デニスは、今シーズンのタイトル獲得をあきらめたりはしていないと主張している。
デニスは、『20min.ch』に対し、「我々は2位か3位になるためにここへ来たわけではない」と語り、マクラーレンとしてはオーストラリアGPのときよりも、コンマ5秒はペースアップできると考えているとしている。
マクラーレンのナンバー1ドライバーであるジェンソン・バトンは、マレーシアで次のように語った。
「独創的なクルマにしようというのが僕たちの考えだった。少しばかりダウンフォースが足りないけれど、計画通りにクルマの開発を続けてゆきさえすれば、メルセデスAMGをとらえることはできるはずだよ」
昨年、ザウバーからマクラーレンへと移籍してきたものの、わずか1年でそのシートを失い今年はフォース・インディアへと移籍したセルジオ・ペレスは、マクラーレンが今年調子を取り戻してきたことに驚いてはいないと次のように語った。
「2014年のほうへ集中するために、2013年のクルマの開発はかなり早期にとりやめらたからね」
F1公式サイトにそう語ったペレスは、「マクラーレンは、2014年だけに目標を絞っていたよ」