1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブが、フェラーリのフェルナンド・アロンソが新たにチームメートとなったキミ・ライコネンを「たたきのめす」ために懸命になっていると語った。
ビルヌーブも、この2人による全面戦争が起きることになるだろうとの予想については、まだはっきりと証明されたわけではないと認めている。
だが、ビルヌーブに言わせれば、心理戦は間違いなくすでに始まっているという。
「フェルナンドの計画ははっきりしているよ。いかなる代償を払ってでもキミを打ちのめすことさ」
そう語ったビルヌーブは、次のように続けた。
「テストの間はすべて平静そのものだった。ところが(開幕戦の)メルボルンへ来たらフェルナンドは本当の力を発揮してみせた」
事実、今季のF1開幕戦オーストラリアGPでは、ライコネンが今年のクルマのハンドリングに苦しめられる中、アロンソは予選と決勝いずれにおいても楽々とライコネンを打ち負かしてみせた。
「最初の3レースで、フェルナンドはキミを精神的に参らせてしまい、チーム内の注目が自分に集まるようにするつもりなんだよ」
そう語ったビルヌーブだが、ライコネンも反撃するだろうと次のように続けた。
「キミはアイスマンなんかじゃないよ。彼は周囲との距離を置くために自分でそういうイメージを作り上げたんだ。でも彼だってほかのどんなドライバーと同じように、悪い結果に終わるのを好むわけじゃない」
「でも、キミのファンは心配する必要はないと思う。彼は2007年にもハンドリングの問題を抱えていたけれど、それでもF1チャンピオンになったんだからね」
「今回のルール変更は彼のほうに有利に働くんじゃないかと思っているよ」
ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』にそう語ったビルヌーブは、次のように締めくくった。
「予選ではアロンソのほうが速いだろうね。でも今年は、それはそんなに重要じゃないんだ」