昨年まで4年連続でドライバーとチーム別の両タイトルを独占してきた絶対王者のレッドブルだが、今季はシーズン前からルノー製パワーユニットのトラブルに悩まされ続けている。
開幕戦のF1オーストラリアGPでは、決勝後に燃料流量違反により失格処分を受けてしまったものの、ダニエル・リカルドは予選で2番手となり、決勝でも優勝したニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)に次いで2番手でゴールするなど、復調の兆しも見せてきている。
だが、チームメートであり、4年連続F1チャンピオンのセバスチャン・ベッテルのクルマは依然として信頼性やスピードに欠けていた。ベッテルは予選ではQ2敗退、決勝でもパワーユニットのトラブルにより途中リタイアに終わっている。
こうした状況に、レッドブルのオーナーであり、世界的エナジー飲料メーカーの総帥であるディートリッヒ・マテシッツは、自分たちでエンジンを造ったほうがよいかもしれないと発言するなど、強烈にルノーをけん制している。
だが、そのマテシッツも、レッドブルは現在トップを走っているメルセデスAMGにすぐに追いつくことができると考えているようだ。
「そのための作業は速やかに進展するだろうし、第3戦までにはメルセデスAMGに追いつくことができるという自信がある」
マテシッツは、オーストリアの『APA通信』にそう語ると次のように付け加えた。
「もう(2014年のタイトルを)それを目標にはできないと考えなくてはならない理由は何もない」
マテシッツはさらに、チャンピオンドライバーであるセバスチャン・ベッテルも、レッドブルとともにこの嵐を乗り越えるだろうと語った。ベッテルは今季ここまでの成り行きにかなり不満げな様子を見せていた。
「セバスチャンが我々のところに来てからの5年間のうち、4年6か月にわたって、彼は勝利することができるクルマを手にすることができていた」
「彼は、チームとともにこの難局を乗り越えるためには十分過ぎるほどの性格やプロ意識、そして忠誠心を持っているよ」、とマテシッツは結んだ。