2014年F1開幕戦オーストラリアGPでダニエル・リカルドが失格の裁定を受けたレッドブルは、不服を申し立てる抗告の手続きを正式に行った。
燃料流量制限をオーバーしていたとしてスチュワードがリカルド失格の裁定を下した直後に、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは抗告の手続きを取る意向を明らかにしていた。
翌17日(月)にFIA(国際自動車連盟)の情報筋は、レッドブルが抗告の意志を伝えてきたと話していたが、正式手続きの期限は裁定から4日間ある。
そして4日後の30日(木)にレッドブルが必要な書類を提出したと『Reuters(ロイター通信)』、『AP通信』、『PA通信』などが伝えた。
その後FIAは、聴聞会がバーレーンGP(4月6日決勝)の1週間後、4月14日(月)にパリで行われることを発表。21日(金)に出たFIAの声明には、「決定は聴聞会後できるだけ早く公表される」とある。
この聴聞会が重要なのは、レッドブルにとってだけではない。今年の変化の目玉である燃料制限ルールの運用をめぐって、FIAにも大きな影響を与えかねない。
リカルドが失格となったのは、マシンに装着することが義務づけられている燃料流量センサーが、ルールに規定された量を超える値を示していたためだ。
しかし、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、「センサーの正確性は不十分だ。それを証明する」と『Auto Bild(アウト・ビルト)』に話している。
FIAはチームに対し、独自に測定している燃料流量がルールの範囲内であっても、そのセンサーを調整し直して合わせなければならないと警告していた。レッドブルは流量がオーバーしているとレース中に警告を受けたが、これに従わなかった。警告を受けたチームはほかにも複数あり、メルセデスAMGもその1つだ。
メルセデスAMGビジネス部門のエグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、FIAを支持する姿勢を示しているが、オーストラリアGPでFIAのセンサーの数値に燃料流量を合わせたことで、ラップタイムが「0.5秒から1秒」落ちたと話している。
この問題でレッドブルの主張が認められた場合、FIAによる燃料流量の監視体制自体に影響が出る可能性もある。