F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、2014年がF1の指揮を執る最後の年になる可能性があることを認めた。
つい最近までエクレストンは、引退の意志を常に否定してきた。
2012年には、「職務を遂行できると自分で感じ、株主がそれに満足なうちは続ける」と語っていた。
しかし今回エクレストンが、引退について考えていることを認め、次のように語ったと『Mirror(ミラー)』が伝えている。
「今年末には84歳になっている。だからおそらく、もう何年目だか知らないが延々とやってきたことを、85になるというのに自分は続けたいのか? と考え始めるだろう」
「これは、非常に真剣に考えなければならないことだ」
それをエクレストンは、絶頂期に引退するスポーツ選手に例えている。
「ボクシングで言えばグローブを置くべき時をわきまえるのは大事なことだ」とエクレストン。「リングに上がってめった打ちの目に遭うことのないようにね」
エクレストンは現在、贈賄容疑で裁判を受けている。エクレストンから何千万ドルもの賄賂(わいろ)を受け取った罪でドイツの元銀行家ゲルハルト・グリブコウスキーはすでに有罪が確定しており、エクレストンも有罪となった場合、良くても現在の地位を失い、最悪の場合は懲役もあり得る。しかしエクレストンは、引退を考え始めたことは裁判とは無関係だと主張した。
「いや、あれは何でもないことだ。関係はないよ」とエクレストンはきっぱり否定している。「現代のビジネスの進め方が、以前と比べてどうせざるを得ないかということだ」
エクレストンは、現代は「コーポレート・ガバナンス」の時代であり、「報告すべきいろいろな委員会や、倫理委員会とかほかの訳の分からない理事会とか」が存在すると続けている。
「昔はそういったことについて何も知らなかった」とエクレストン。「知っていたら、これほどまで長続きはしなかっただろう」
「これからさらに窮屈になっていく。それが世界の流れだ。そうなりつつある。私は賛同しかねるがね」
「今ゆっくりと、だが確実に進んでいるのは、起業家を厄介払いすることだ。枠にとらわれない考え方をする人間を閉め出すことだよ」とエクレストンは話している。