マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエが、マクラーレンの「総帥」であるロン・デニスは、自分の新しい仕事をやりたいようにさせてくれていると主張した。
ロータスの前チーム代表であったブーリエは、2013年に悲惨な結果に終わったマクラーレンがチーム代表であったマーティン・ウィットマーシュを更迭したことにより、その後任として今年2月から現職に就いている。
そのブーリエにとって、マクラーレンで初めて指揮をとることになったのが開幕戦のF1オーストラリアGPだった。だがそのそばにはデニスの姿が見え隠れしていた。デニスは、昨年「失速」してしまったチームを救うという使命感に燃えてF1のパドックに復帰を果たしている。
『Daily Mail(デイリー・メール)』によれば、シーズン前の時点では、66歳のデニスはレースの現場ではチームのユニホームを着ることもないだろうし、「自分はピットウォールに行くこともない」と主張していたという。
だが、ジョナサン・マクエボイ記者は、「彼がシーズンが終わるまでの間(ピットウォールに)行かないなどということがあるだろうか?」と書いた。
事実、オーストラリアGPにおいては、デニスがピットウォールに歩み寄る姿が目撃されている。それはどうやら、ブーリエに対する指示を与えるためだったと考えられている。
だが、ブーリエは、『Telegraph(テレグラフ)』に対して次のように主張した。
「彼は僕に指示をしにきたんじゃないよ。彼は2回ほど顔を見せにきただけさ」
一方のデニス自身は、今年はあくまでもオブザーバーとしてレースに来るだけだと言いつつも、次のように付け加えた。
「私はレーサーだ。だから、理解しなくてもよいとか、貢献しなくてもよいなどという考えを持つことはないよ。いろいろなことを観察しているときには、こうじゃないの? とか、ああじゃないの? と言うほうがいいんだ」