汚職スキャンダルで崖っぷちに立たされているバーニー・エクレストン。それでもジャン・トッドFIA(国際自動車連盟)会長はエクレストン支持の姿勢をとり続けている。
F1の権利を一部所有するノルウェー中央銀行インベストマネジメントのCEOイングヴェ・スリングスタッドは先日、ドイツで刑事裁判の被告人となったエクレストンの「停職」処分を主張した。
それでもトッドはイギリス『Telegraph(テレグラフ)』紙に、「現時点で彼(エクレストン)は無実だ」と語りこう付け加えた。
「彼の功績を考えてみたことは? 偉大なものだ。私はその点だけで十分だよ」
また今週、トッドはドイツ『Welt(ヴェルト)』紙にこんなことも話している。「彼なしでF1は、今日のように世界的なスポーツビジネスになり得なかっただろう」
「そんなF1もいつかは彼なしでやっていかなければならない。どこの誰であろうと例外はないのだ」
「今のところ、FIAとバーニー・エクレストンの関係に影響はない」
またトッドによると、現時点でF1を所有するCVCキャピタル・パートナーズにも意見の相違は見られないという。
イギリス『Daily Mail(デイリー・メール)』にトッドは、次のように語っている。「もしCVCが彼を辞めさせたいなら、FIA会長である私にひと言あるはずだ。未だかつて彼らとそのような話に発展したことはない」
トッドとエクレストンで意見の相違があるとしたら、今年何から何まで一新したF1マシンだ。エクレストンは最近、信頼性に欠けるマシンの「ドタバタ劇」を批判。V6ターボが発するおとなしいエンジンノイズにも不満を表している。
ところがトッドは、それがどうしたといった面持ちだ。
トッドはドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌に「もし規則を変えなければ、いくつかのエンジンメーカーが撤退したかもしれない」と語る。
「メルセデスが残る保証など何もなかったし、ホンダだって参入したかどうか分からない」とトッドは付け加えた。