レッドブルのドライバーに昇格したダニエル・リカルドは、チーム内において前任者のマーク・ウェバーが味わったようなやっかいな立場に陥るとは考えていないようだ。
昨年限りでF1を引退し、今年からル・マン・シリーズ(WEC)の最高峰カテゴリーへ復帰するポルシェの一員となったオーストラリア人ドライバーのウェバーだが、レッドブル在籍時代にはしばしば、自分はチームメートのセバスチャン・ベッテルと同じような扱いを受けられていないとほのめかしていた。
そして、そのウェバーの後任の座についたのが、やはりオーストラリア出身のリカルドだ。
1980年にF1チャンピオンとなったオーストラリア出身の元F1ドライバーであるアラン・ジョーンズは、『Sydney Morning Herald(シドニー・モーニング・ヘラルド)』に対し、今週次のように語った。
「もちろん、あのチーム(レッドブル)に何らかの傾向的なものがあるとすれば、それは多分少しばかりドイツ寄りということだろうね」
だが、リカルドの考えによれば、ウェバーがそうした状況に陥っていたとすれば、それはレッドブルの影の実力者と目されるヘルムート・マルコ(レッドブル/モータースポーツアドバイザー)とウェバーの関係が若干ぎくしゃくしていたことによるものだろうという。
はっきりと物を言うことで知られるマルコは、ベッテルが子どものころから面倒を見てきた人物であることもよく知られている。しかし、リカルドも同じようにレッドブルの若手ドライバー育成プログラムの一員として、ここまで登りつめてきている。
そのリカルドは今週、メルボルンにおいて『Fairfax Media(フェアファックス・メディア)』に次のように語った。
「それは間違いなく大切なことだよ」
「マルコのことを以前からずっと知っているし、マルコも僕のことが分かっている。初日から彼のフルサポートを得ていたことを知っているし、そういう疑問なんて何も浮かんでこないね」
「セブ(ベッテルの愛称)と同じだけのチャンスが与えられるということを100パーセント確信しているよ」
「マークは、何らかの理由によってそういうこと(不平等だと)言ったかもしれない。でも、僕はそうならないよ。もっと前向きな取り組み方をするつもりさ」とリカルドは結んだ。