マクラーレンやフェラーリで活躍した元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、もはやF1の技術革新に対して批判的な立場をとっていない。
かつては自らを「純粋主義者」のひとりだとし、複雑なエネルギー回生システムや燃費制限などには反対であるとの立場をとっていたベルガーだが、『APA通信』に対し、今ではその考えが変わったと語った。
「個人的な見解だけど、これは大きな前進だよ」
現在、スキー事故により骨折した腕のリハビリ中である54歳のベルガーは、次のように続けた。
「バーレーン(のテスト)へ行くまでは、僕は批判的だった」
「最初は、それはファンにとってはあまりにも技術的で複雑すぎると思ったんだ。でもその考えを改める必要がある。これは純粋なF1だよ」
「クルマは、ストレートでは時速20キロメートルも速いし、コーナーの立ち上がりでは本当にパワーがあるんだ」
自身のF1キャリアにおいて10回の優勝記録を持つベルガー。おそらくは伝説的F1ドライバーであるアイルトン・セナがマクラーレンで活躍していたころのチームメートとしてのほうがファンの記憶には残っているだろう。そのベルガーは、新しいV6ターボエンジンの少し優しくなった音に関しても違和感はないと次のように語った。
「(エンジン音に関する)批判の多くは、実際にまだその音を聞いたことがない人たちからのものだ」