レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、4年連続F1チャンピオンチームのレッドブルが、シーズン序盤の劣勢を取り戻し、ほかのチームに追いつくことができるかどうかは分からないと語った。
常に率直な発言をすることで知られるマルコは、世界的エナジー飲料メーカーであるレッドブル傘下のテレビ局『Servus TV(セアヴスTV)』の番組『Sport und Talk(シュポルト・ウント・トーク)』の中で、今のレッドブルはほかのライバルたちより数か月後れを取っている状態であることを認め、次のように述べた。
「我々にとっては少なくとも2か月ほど早くシーズン開幕を迎えることになる」
「まだ本来あるべき状態になっていない」
マルコは、合計12日間にわたってスペインとバーレーンで行われたF1公式シーズン前テストにおいて、レッドブルがほかのライバルチームたちにくらべ、明らかに少ない周回しか行えなかったことが最大の問題であると次のように続けた。
「これは、非常に深刻だ」
「現時点では、追いつくためにどれほどの時間を要するのか、あるいはまったくそうできないのか、分からない」
だが、必ずしもレッドブルにとって最悪な状況であるとは限らない。シーズン前テストにおいて好調ぶりを示したメルセデスAMGでさえ、来週末に控えた2014年のF1開幕戦であるオーストラリアGP(16日決勝)においては、恐らくスピードではなく信頼性が最も重要な要素になるだろうと考えている。
メルセデスAMGの会長であるニキ・ラウダは、「全体のうち、半分は完走できないと思っているよ。十分なテストを行う機会がなかったからね」と語った。
しかし、レッドブルにとっては残念なことに、ルノー製エンジンを搭載する今季型車のRB10は信頼性が高いとは言えない。
ある経験豊かな関係者は、先週バーレーンにおいてドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、次のように述べた。
「レッドブルは良さそうには見えない」
「すべてがうまくかみ合っていない。エンジン、ギア、そしてセットアップの連携がうまくとれていないんだ。セバスチャン(ベッテル/レッドブル)は常にタイヤを滑らせたり空転させたりしていた。その一方でウィリアムズはレールの上を走っているようだったよ」
レッドブルのクルマは、フェラーリ製やメルセデス製のエンジンを搭載するライバルたちに比べ、直線スピードも明らかに劣っていた。これについてはルノーにもその責任の一端があるのは間違いない。
ルノーエンジンを製造するルノー・スポールF1の技術責任者であるロブ・ホワイトはそれを認め、次のように述べた。
「メルボルンでは不安な週末を迎えることになる」
「(ルノーエンジンを使う)チームやドライバーたちがクルマのパフォーマンスを追い求められるよう支援でき、レースでその成果を現すことができるよう期待している」