F1合同テストで次から次へとトラブルに見舞われるルノー。問題はエンジンにとどまらない。現場責任者のレミ・タフィンが入院してしまったのだ。
ルノーでは、ヘレスに続き先週のバーレーンでもエンジン周りに問題が噴出。ところが『Blogf1.it』によると、そんなトラブルをよそにタフィンは盲腸の摘出手術を受けていた。記事は、タフィンが回復中であることも伝えている。
ルノー・スポールにとってタフィン病欠は最悪のタイミングで起きた。あと何日かで2014年型エンジン開発はFIA(国際自動車連盟)によって禁じられ、仕様が凍結されてしまうのだ。
現在、メルセデスAMG、マクラーレン、ウィリアムズ、フォース・インディアといったメルセデスエンジン搭載チームがF1をリードしている。
「今年はエンジンが勝負の鍵を握る」と言うのは、フォース・インディアの責任者代理、ボブ・ファーンリーだ。「絶好のタイミングで最強のエンジンを手にするチームが最も大きな差をつけるだろう」
性能はメルセデスの次といった評価を受けているフェラーリだが、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌は、大きな技術変革にあたって慎重なアプローチを心がけているだけで、フェラーリが本領を発揮するのはこれからではないかとするパドックのうわさを紹介している。
『L'Equipe(レキップ)』紙は、キミ・ライコネン(フェラーリ)の次のようなコメントを掲載した。「僕らのラップタイムは今のところパッとしない。でも、本当のところが分かるのは開幕戦のオーストラリアGP(3月16日決勝)だろうね」
「信頼性をはじめ、すべて問題ない。ただ性能についてはあまり把握できていないんだ。個人的には悪くないと思う」
フォース・インディアのファーンリーは、『Sky(スカイ)』へ次のように語った。「現時点ではメルセデスが少しリードしているかに見える。だがその構図も変わるだろう。時間の問題に過ぎない」
しかし、ルノーにとって時間はノドから手が出るほど欲しいところだ。チャンピオンチームのレッドブルでアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、「好ましからざる」現状について次のように『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙にコメントする。
「全部が全部ルノー(のせい)ではないが、主なトラブルはルノー絡みだ」
「しかも問題はレッドブルにとどまらず、すべてのルノー系チームに及んでいる」
その詳細についてきかれたマルコ博士は、次のように答えた。「問題といってもさまざまだ。それらが複雑に絡み合って、ひと言やふた言では説明不可能だ」
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』では、メルセデスの中でも特に速いメルセデスAMGとマクラーレンの差をコンマ9秒と分析している。
それでもメルセデスAMG会長のニキ・ラウダは、大きな転換期にあって単に同チームはテスト期間中、順調にプログラムを消化しているに過ぎないのではと、次のように話している。
「もしかしたら我々だって同じトラブルを抱えているかもしれない」とラウダ。「単に問題が少ないだけかもね」