4年連続でドライバーとチーム別の両タイトルを獲得してきたレッドブルだが、深刻な技術的トラブルに見舞われたことにより、今シーズンはスタートでつまずいた形となっている。だが、そうした状況にもかかわらず、セバスチャン・ベッテルは今シーズンに導入されることが決まっている最終戦のみポイントが2倍となる新ルールについては、依然として反対だとの意思表示を行った。
今季、最終戦のみポイントを2倍与えるというルールについては、昨年ベッテルが第16戦のF1インドGPにおいて早々とタイトルを決定してしまったことで、シーズン後半にF1テレビ放送の視聴者が大幅に減ってしまったことが導入のきっかけとなったと広く信じられている。これにより、F1最高責任者であるバーニー・エクレストンが、批判の声もある中で、この新ルールの導入を強く働きかけたものだ。
昨シーズンは全19戦中13戦で優勝を果たし、そのうち夏休み明けの第11戦ベルギーGPから最終戦のブラジルGPまで9連勝を果たすという圧倒的な強さを見せたベッテルは、当然ながら、この制度導入を歓迎していなかった。
最終戦のポイントが2倍となることが発表されたとき、ベッテルは次のように語っていた。
「これはばかげているし、シーズンの終わりまで懸命に頑張ってきた者たちにとって不公平となるよ」
しかし、そのコメントは、ルノーエンジンを搭載するレッドブルの2014年型車であるRB10が深刻な技術的問題を抱える前に行われていたものだ。
そして、19日(水)からバーレーンで始まった今季2回目の公式シーズン前テストにおいてもレッドブルは依然としてそのトラブルをひきずる形となっており、そうした状況から、今シーズンのレッドブルはシーズン序盤の出遅れが必至だと考えられている。そして、ベッテルにとっては、2014年シーズンのタイトル獲得に向けて終盤に追い上げなくてはならなくなることも予想される状況となっている。
そのような背景のもと、19日(水)に、今では最終戦のポイント2倍制度を歓迎するのではないかと尋ねられたベッテルは、次のように答えた。
「もう2月だし、4週間後にはシーズンがスタートする。でも、僕はそれ(ポイント2倍制)は公平ではないし、少しばかりやりすぎだと思うよ」
「この先どう転ぶにしろ、ポイント2倍制は好きじゃないよ。それを導入する意味が分からないんだ。その時点に到達するまでには僕たちがたくさんいいレースができているよう期待しているよ」
そう語ったベッテルは、次のように締めくくった。
「パニックに陥る理由なんて何も見当たらないよ。全員が全力をあげて問題の解決策を探っていることも知っているしね」