F1サーキットのコースサイドに足を運ぶと気づくのは、2013年シーズンと明らかに違うエンジン音。新V6ターボエンジンが発するノイズは、よりマイルドだ。
ところが、新マシンを操るドライバーにとって大きな話題は、ノイズよりトルクである。
実際のところ昨年までの自然吸気V8エンジンとエネルギー回生システム付きの新世代V6ターボエンジンは、馬力面で大きな違いはない。
ところが2014年の新パワーユニットは、トルクが著しく太いのだ。
ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)はドイツ『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』紙にこんなことを語っている。「初めてガレージからコースに出たとき、“うわっ、マジかよ”って思ったね」
エイドリアン・スーティル(ザウバー)の体験談は、より生々しい。
「コーナー出口で加速したとき、ビックリした」とメルセデス・ベンツV6ターボエンジンの第一印象を語るスーティルはこう続けた。
「3速から4速にシフトしたとたん、リアがクルッと回ってスピンしたんだ」
ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)も同じような経験をした。「ターボのドライバビリティには、ちょっとした新発見があったよ!」と語っている。