2014年からレッドブルでF1ドライバーズ世界選手権4連覇中のセバスチャン・ベッテルとコンビを組むことになった、ダニエル・リカルド。ベッテルがいまだドライバーとして開発途上とリカルドは考えている。
同じオーストラリア人のマーク・ウェバーに替わって来季からレッドブルのステアリングを握るリカルドだが、ベッテルにとってウェバーより手強い相手になれるよう願っていると、最近、ブラジルの『Totalrace(トータルレース)』に対して次のように語っている。
「マークは優れたドライバーだが、セブ(ベッテル)のほうが一枚うわてだったね」
「この2年で、それがはっきりした」
「彼(ベッテル)は、まだまだ若い。ふたりがチームメートだったころ、互いにドライバーとして頂点に達していたかどうか疑問をもってしまうよ」
リカルドよりわずか2歳年上のベッテルだけに、2013年シーズンを圧倒的なスタイルで制したあとも成長を続けていると考えるのが自然だ。
「彼はまだ実力のピークに達していないんじゃないかな。今までの活躍をみると、ほかのドライバーにとっては脅威だね」
ジュニアチームのトロロッソで2年過ごした後、来季はメインのレッドブルに移るリカルド。チーム代表のクリスチャン・ホーナーはふたりの対決を楽しみにしている。
「私が思うに、ダニエルはかなりの速さを備えている」と、ホーナー。「それが本当かどうかは、これから答えがでるだろう」
心配されるのはリカルドとベッテルの衝突だ。ベッテルとウェバーの関係は、年を重ねるたびに悪化していった。しかし、ホーナーは気にするそぶりを見せない。
「ふたりの関係は、マークと大きく異なると思う」と話すホーナー。
「セバスチャンがチームにやってきた当時、マークはドライバーとして絶頂を迎えていた。これに反してダニエルはマークよりはるかに若く、ドライバーとして修行中の身だ。セバスチャンから学ぶこともあるだろうね。従って、二組の力関係はだいぶ異なるよ」
ベッテルを打ち負かしたいと意気込むリカルドだが、世界チャンピオンの実力を考えると相当な高望みだ。もちろん本人もそれを心得ている。
リカルドはドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に、次のように話す。「マシンさえ良ければセバスチャンは勝つだろうし、みんなもそれを当然と思うだろう」
「同時に、僕がチームに入っていきなりナンバー1ドライバーになるなんて誰も期待していない。それで少しはプレッシャーが軽減されるよ」
「最高のドライバーがいるチームに入るからには、いろいろ学びたいと思っている。あとの話はそこからだね」
「来季が終わって彼と僕の勝ち数は同じで彼がチャンピオン、僕は2位みたいな結果があらかじめ分かっていたら、今の僕はそれを受け入れるよ」
「でも、仮に彼が世界王者で僕が5位だとしたら、“悔しい!”って思うだろうね」といってニヤリとするリカルド。
「とてつもない挑戦だけど準備はできている。でも、やられっぱなしは嫌だな」
「マークよりは近いところで彼と戦いたいと思う。でも、大口を叩いて結局コケるような真似はしたくない。どうなるか分からないけど、前向きな気持でいるのは確かだ」と語るリカルドだった。