ホンダの航空機事業子会社であるホンダ・エアクラフト・カンパニー(HACI)が20日(金)、ホンダ・ジェットが米当局の型式検査承認を取得したことを発表した。
HACIの発表によると、米国東部標準時間の20日に米国連邦航空局(FAA)より型式検査承認(TIA:Type Inspection Authorization)を取得。TIA取得は、FAAによって規定された設計要件をホンダ・ジェットが満たしており、今後、認定試験用のホンダ・ジェットにFAAパイロットが搭乗し、型式証明(TC:Type Certification)の取得に向けた最終的な認定飛行試験を行うことが承認されたことを意味する。
ホンダ・ジェットの開発責任者であり、開発・製造・販売を担当するHACI社長の藤野道格氏は、「TIAの取得はホンダ・ジェットにとって極めて重要なマイルストーンです。我々は、型式証明の最終スケジュールを確定させるため、FAAと密接に連携をとってきました。12月13日に発表されましたGEホンダ・エアロ・エンジンズ社製ターボファンエンジン『HF120』の型式認定取得と今回のTIA取得に基づき、ホンダのFAA型式証明の取得時期は2015年1~3月を予定しています。また、FAA型式証明取得後すぐにお客さまへのホンダ・ジェットのデリバリーを開始する予定です」と語った。
20日には、HACIの本社敷地内に設けられたカスタマーサービスセンターが、FAAの連邦航空規則(FAR)Part 145に定める航空機整備工場の認証を受けた。今年10月に完成したカスタマーサービスセンターは、ホンダ・ジェットに関するサービスプログラムの販売と管理、24時間対応のテクニカルサポート、テクニカルトレーニング、修理および重整備などを行うための施設で、世界に展開するホンダ・ジェトのディーラーネットワークを補完する機能を担う。
「我々は、ホンダ・ジェットのデリバリー開始時から高品質のカスタマーサービスをご提供できるよう準備を進めており、今回のカスタマーサービスセンターに対するPart 145の認証は、その大きな一歩となります」と藤野社長は語っている。
ホンダ・ジェットは、特許技術である主翼上面エンジン配置や自然層流翼、複合材製胴体の製造方法などのさまざまな最先端技術を取り込み、同クラス最高の速度、室内容積および燃費性能を実現した小型ビジネスジェット機。ホンダ創業期以来の空への夢が、具現化に向けてまた一歩進んだ。