2013年最後の2戦を欠場するキミ・ライコネン(ロータス)の代役には、7人もの候補がいたという。
これは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えたもの。候補の中には、7回F1チャンピオンに輝き昨年末で引退した44歳のミハエル・シューマッハも含まれていたが、シューマッハは断った報道されている。
「レースは僕にとって変わらず特別なものだ。それは間違いない」とシューマッハはドイツのテレビ局『RTL』の最近のインタビューで話している。
「その一方で、20年間F1の世界に身を置いてきた。ほかのカテゴリーもすべて含めれば、40年ほど活動してきたことになる。いつかは、少しうんざりもするものだ」
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』のミハエル・シュミット記者によると、ロータスはシューマッハのほかにも、現役ドライバーのニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)、パストール・マルドナード(ウィリアムズ)に加え、F1を去って2年近くになるルーベンス・バリチェロや、昨年末でシートを失った小林可夢偉にも連絡を取ったという。
最終的にライコネンの代役の座を射止めたのは、今年ケータハムで何度か金曜フリー走行を担当していたヘイキ・コバライネンだった。
ロータスのサードドライバーだったダビデ・バルセッキは、経験不足という理由で採用されなかった。F1アメリカGPが行われたオースティンで、バルセッキはイタリアメディアに対して次のように語った。
「ひどく打ちのめされている」
「コバライネンに負けたことに腹が立つんだ。偉大なチャンピオンじゃないし、最後に結果を出したのは5年前だ」
「チームがヒュルケンベルグを選んでいたら、理解もできた」とバルセッキも認めている。「マルドナードだったとしてもそうだ。でも、僕を選んでくれていたら、すぐにいいペースを出せたはずだ」
しかし、ロータスのチーム会長ジェラルド・ロペスは、チームの決断を支持している。チーム別のコンストラクターズ選手権には、多額の賞金がかかっており、フェラーリやメルセデスAMGといった強力なライバルと順位を争っているというのがその理由だ。
「経験不足を考えれば、ダビデにこれほど大きな責任を負わせるのはフェアではないだろう」
「それ(コンストラクターズの順位争い)がなければ、彼が第1候補だった。昨年、ジェローム・ダンブロシオがそうだったようにね」とロペスは話し、昨年ロマン・グロージャンが出場停止になった際にリザーブドライバーのダンブロシオが代役を務めたことに触れた。
アメリカGP初日のフリー走行では、コバライネンはレギュラードライバーのロマン・グロージャン(ロータス)より速いタイムを残した。この偉業を、ロータスの技術責任者ニック・チェスターは、「素晴らしい」と褒めたたえた。だが、コバライネンは予選で8番手、決勝では14位に終わり、ポイントを獲得することができなかった。