メルセデスAMGやフェラーリが、2014年にはついにレッドブルの優位性にストップをかけることができるかもしれない。
近年のF1は空力が非常に大きな意味を持っているが、現時点ではレッドブルの最高技術責任者であるエイドリアン・ニューイが設計したクルマに乗るセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が圧倒的な強さを見せ、2010年以降4年連続でF1タイトルを獲得している。しかし、来年はF1が新設計のV6ターボエンジンによる新しい時代を迎えることになり、そのことでチームの力関係にも変化が起こるかもしれない。
『Bild(ビルト)』紙は、メルセデス、フェラーリ、そしてルノーらのF1エンジンメーカーは、新エンジン開発のために、それぞれ少なくとも1億ユーロ(約133億円)を投資しなくてはならなかったと伝えた。
だが、メルセデスでは約400人の専属スタッフが新しいV6ターボエンジン開発に携わっているのに対し、ルノーで新エンジン開発に関係しているのはわずか250人だということが明らかとなった。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコも、F1の新たな時代の幕開けに向けては、「よそがわれわれよりももっといいアイデアを得る可能性はある」と語った。
そして、最年少で4年連続のF1タイトル獲得を達成したベッテルも、現在のV8エンジン時代において、レッドブルの成功の陰にはルノーが大きな役割を果たしていることを認め、次のように述べた。
「彼らは非常にいい仕事をしているよ」
3日(日)に行われたF1第17戦アブダビGPで優勝を果たし、ミハエル・シューマッハが持つシーズン最多連勝記録の7連勝に並んだベッテルは、さらに次のように付け加えた。
「来年も、今年みたいに力強くて信頼性のあるエンジンが持てることを期待している」
レッドブルの姉妹チームであり、来季からは現在のフェラーリエンジンからルノーエンジンに移行することが決まっているトロロッソのチーム代表フランツ・トストも、『Marca(マルカ)』紙に対し、2014年にはあるひとつのエンジンメーカーがレースを支配するのではないかと心配していると語った。
具体的に、どのメーカーのことを指しているのかと尋ねられたトストは、「例えば、メルセデスだ」と答え、次のように付け加えた。
「もし、彼らが力強いスタートを切れば、その差は長い間縮められないかもしれない」