マーク・ウェバー(レッドブル)は、「もう少しで」F1キャリアの最後をフェラーリで過ごすところだったことを打ち明けた。
「あともう少しだった」と、アブダビのパドックで『Speed Week(スピードウィーク)』に語ったウェバー。「もう少しでケータイを手にとってディートリッヒ・マテシッツ(レッドブル/オーナー)に電話をかけるところだったよ」
今季最終戦ブラジルGPを最後にF1から去るウェバー。2014年はル・マン24時間をシリーズに含むWEC(世界耐久選手権)に身を投じる。そんなウェバーにフェラーリ移籍のチャンスが巡ってきたのは2012年。フェラーリはフェリペ・マッサに代わるドライバーを探していたのだ。
「フェラーリと合意に至ることができなかったんだ」とウェバー。「合意さえできたら、今ごろ僕はフェリペ・マッサのシートに座っているはずだ。さらに2014年もね」
「期限を設けた末、昨年の第6戦カナダGP直前の木曜日、もう一年レッドブルで過ごすことに決めた」
そして今月下旬、最終戦ブラジルGPを走り終えたら胸を張ってインテルラゴスのパドックを後にするとウェバーは言う。F1タイトルは逃したものの、これまで築いてきたF1キャリアには満足だ。
「こんなはずではなかったよ」と、ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に語るウェバー。「でも、ウソもまやかしもない僕のキャリアに、誇りを持っている」
「自分では、一度のタイトル経験者に肩を並べられたと思っている」
「ただ、複数タイトルを取れるドライバーだったかといえば、それは絶対ないね」とウェバーは率直に語る。
チームメートのセバスチャン・ベッテルと対立を繰り返してきたウェバーだが、ベッテルの方がドライバーとしては自分より優秀だと素直に認める。
「セブ(ベッテル)は並外れているよ」
「そうじゃないといえば、自分で自分にウソをつくことになる」
「ある意味、僕はアイルトン・セナから見たゲルハルト・ベルガーだ。ゲルハルトも素晴らしいドライバーだったけど、タイトルを取るほどの実力はなかった」