トロロッソは、来季加入が決まっている新鋭ダニール・クビアトに経験を積ませるため、F1アメリカGP(11月17日決勝)とブラジルGP(11月24日決勝)の今季最終2戦で金曜日のフリー走行1回目にステアリングを握らせることにした。
レッドブル入りするダニエル・リカルドに替わってトロロッソのシートに収まる予定のクビアトは、まだ10代のロシア人ドライバー。もちろんF1参戦に必要なスーパーライセンスの取得はこれからだ。
「もう間もなく、彼を2年落ちのマシンに乗せ、スーパーライセンスに必要な距離を走らせる予定だ」と、トロロッソはチームの公式ウェブサイトに掲載された記事で計画を説明している。
だが、まだGP3ドライバーのクビアトにF1は荷が重すぎると考える者もいる。
その1人がジェンソン・バトン(マクラーレン)だ。『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』にこう話す。「(F1に)乗ったら、彼はさぞショックを受けるだろうよ」
「GP3のチームでは12名のスタッフがせいぜいだ。それが突如、700人もいるチームに移るんだからね」
だがチームアドバイザーのヘルムート・マルコは、そうした考え方は偽善に満ちていると反論する。マクラーレンも、若手育成と称してケビン・マグヌッセンとストッフェル・ファンドールネのドライバー2人を前面に押し出しているというのだ。
「セバスチャン(ベッテル/レッドブル)は我々が育てた中で初めて(成功を)収めたドライバーだ。そして今、ダニエル・リカルドがこれに続く2番目の成功例となる」と、『Speed Week(スピードウィーク)』に話すマルコ。
「つまりこういうことさ。他者がああだこうだと話している間に、我々は若き才能をF1に送り込んでいるんだ。ダニエルもセバスチャンも我々のジュニアチームから巣立って行ったドライバーだ。そのことを誇りに思っている」
ところが『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』によると、FIAは安全面を考えてスーパーライセンス発給の資格をより厳しくする姿勢のようだ。