度重なるトラブルからシーズン途中でピレリタイヤの仕様が変わったことでパフォーマンスが悪影響を受けたとするチームがまたひとつ現れた。
F1第8戦イギリスGPで複数のチームのタイヤがバーストしたことを受け、ピレリはスチールベルトを採用したタイヤの使用を断念し、昨年まで使用されていたケブラー製のベルトに仕様を戻した。この仕様変更は今シーズンのタイヤの扱いに手を焼いていたチームからは歓迎されたが、フェラーリやフォース・インディアといった大きな問題を抱えていなかったチームからは不満の声が聞かれていた。
トロロッソの技術部門トップのジェームス・キーもドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に怒りを訴えている。「(2013年型の)STR8のサスペンションコンセプトを(2012年型の)STR7から変更したのは、タイヤの変形が大きくなったためだ」
「それなのに、タイヤは2012年仕様に戻されてしまった。そのためセットアップの幅は狭まり、今シーズンのために準備していたセッティングが使えなくなった」
キーはさらに、タイヤの仕様変更前は空力にも影響したと明かし、ディフューザーが「以前ほど効果を発揮しない」と話した。
確かに、スチール製のベルトがケブラー製のベルトに戻って以降、成績が振るわなくなったトロロッソは、コンストラクター選手権でザウバーに7位の座を奪われてしまった。