2013年シーズンの終盤になって、ザウバーに形勢を逆転されたとの指摘にフォース・インディアが反論している。
今シーズン開幕当初、フォース・インディアからザウバーへ移籍を果たしたニコ・ヒュルケンベルグは、重大な過ちを犯したのではないかと見られていた。ザウバーは、昨シーズンまでの好調さがまるでうそのように下位グループの一角を形成していたのだ。
しかし、2013年も終盤戦に入ったいま、ヒュルケンベルグが大活躍を見せている。ロータスばかりか、フェラーリやマクラーレンといったトップチームまでもが熱心に獲得へ乗り出していると報道されるほどだ。
これだけではない。今までノーポイントだった新人ドライバーのエステバン・グティエレス(ザウバー)も、先日行われたF1日本GP(13日実施)で7位入賞を果たし、今季初ポイントを獲得。突如として戦闘力を発揮し始めたC31とともに、危機を脱した格好だ。
ザウバーのチーム代表を務めるモニシャ・カルテンボーンは、「まるで彼の中の何かが、一気に爆発したよう」と語った。
しかし、グティエレスが来季のシートを確保するためには、初ポイント獲得だけでは不十分かもしれないとカルテンボーンは警告する。ちょうど1年前の鈴鹿で表彰台を獲得したにもかかわらず、ザウバーから放出されてしまった小林可夢偉が良い例だ。
「今後の計画を立てる際に、個人の成績は私たちにとって決定打にはならない」とカルテンボーンはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に述べた。
「何名か候補者はいますが、名前を明かすつもりはありません」
一方で、フォース・インディアのオットマー・サフナウアーCOOは、好成績の要因がグティエレスでも、ついこの間まで不調だったザウバーのクルマでもないことを、カルテンボーン本人が最もよくわかっているはずだと主張する。
コンストラクターズ選手権の6位と7位では、コンコルド協定に基づいた収益の分配額において数百万ユーロ(数億円)もの差額が生じるため、フォース・インディアやザウバーなどの中団チームにとってはチームの命運を左右するほどの死活問題となる。
それゆえ、コンストラクターズ選手権の行方を決定しかねない要因がピレリタイヤであることにフォース・インディアのサフナウアーは我慢ならないのだ。
「ザウバーが素晴らしいのではない。これは単に、ピレリに過ぎない」とサフナウアーは『Blick(ブリック)』に語っている。
さらに、ピレリがシーズン途中に敢行したタイヤ仕様の変更が、いかに一部のチームに有利なものとなり、フォース・インディアをはじめとするほかのチームに悪影響を及ぼしたかについて触れ、「それが現況をすべて物語っている」とサフナウアーは述べた。