マーク・ウェバー(レッドブル)は12日(土)、圧倒的な強さで現在のF1を席巻しているチームメートのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)を抑えて鈴鹿でポールポジションを獲得したものの、“うわべだけのポール”であることを認めた。
というのも、早ければ13日(日)にF1選手権4連覇が確定するベッテルは、12日(土)はフリー走行3と予選でKERS(運動エネルギー回生システム)の問題と格闘していたからだ。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、「不運なことに、セブ(ベッテルの愛称)は予選でKERSを使えなかった」と『BBC』に打ち明けた。
さらに、「そんな不利な状況でもフロントローを獲得できたのは、大成功だった」と述べ、予選で2番手を獲得したベッテルを称えている。
今シーズンを通じてベッテルに大きく水をあけられているウェバーもこれに同調する。
「セバスチャンは、ある問題を抱えていたから、少しばかり“名ばかり”で中身がともなわないポールではあるけど、チャンスが転がっていたら、それをつかまないといけない」と話した。
もし、ベッテルが13日のF1日本GP決勝で優勝し、現在選手権2位のフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が9位以下なら、ベッテルの4連覇が確定する。
アロンソは、わずかに残された逆転優勝に望みをつなげるため、自分の役割を果たす覚悟はできているようだが、週末を通じてフェラーリのマシンで思うような走りができずにいる。12日(土)に行われた予選でも8番手に沈んだ。
アロンソ本人も、「週末はずっと、8番手か9番手あたりだった。ここまで良い週末ではないね」と認めている。
万が一、ウェバーがチームメートに順位を譲ればベッテルの優勝が決まる状況に陥ったとする。その場合、ウェバーはどのような行動にでるだろうか。人々の脳裏に浮かぶのは、F1マレーシアGPでぼっ発した“マルチ21”事件だ。
「ドライバーたちは、チームにとってベストなことをするだろう」とホーナーは言葉に含みを持たせた。